12


日が落ちて間もないブリュッセル。俺は携帯が壊れそうだったんでレストランを後にした。アナコスティアのような軽工業のガレージ、テラス、小川の横を歩いたんだが、本当にブリュッセルはヨーロッパのワシントンと言える。ホテルに戻って寝ようとしたが、結局外で飲むことにした。携帯が復活した。

俺はタクシーでアイリッシュパブに向かい、デュベル(ベルギービール)を頼んで席についた。特に意味の無い戯言をノートに落書きしていると、4-4の成績で唯一2日目に残ったエヴァンが到着した。

「どうやってこの場所の事知ったの?」

「ロブが前回のPTでここ来たらしいよ。女の子達がいるってさ」

エヴァンが周りを見渡すフリをした「いる??」

「さあね。ロブがプロツアーダブリンから帰って来た時言ってたこと覚えてる?」

「何?」

「ひっどい経験だったって。ホールにはMTGのプロがわんさかいたんだけど、こいつらみたいにはなりたくないって気付いたって」

「それ覚えてるよ」エヴァンは言った。
「その時俺も同じこと思った。んで、今回も同じだ。同じ感想。ヴァレンシアで。」

「にも関わらずまだここにいる」

「そうさ。他に何かやることあるってのかい?」

俺はビールを飲み干した。

「あれってロブが初めてMTGを引退したときだっけ?」

「そうだ」

「何回目の引退だっけ?」

「12回目じゃない?」

俺たちは笑い合い、人間的な感情を取り戻したようだった。プロツアーじゃ笑うことは稀だからな。ドンキホーテは自分を笑ったりしないのさ。

「プロツアーに来る度に思うんだけどさ」エヴァンは言った。
「終わった後最低でも一ヶ月はMTGやりたくなくなるんだよな。他の奴らと話しても大体同じような感想みたいだ」


13


俺たちは更に飲んで話した。チャピンにゲームロスくらわせたジャッジ達は、今回より深刻な犯人達のうち2人を捕まえた。デザーニはフランス人ってことでDQ(正当な理由だ)されていて、もう一人はカードを掌に隠してたのがバレてた。「誰だったの?」俺は言った。
エヴァンが教えてくれたんだが、なんとそいつは前日のドラフとで毎回オジュタイの語り部から突撃陣形をやってた奴だった。全然気付かなかったよ。

更に町で夜を過ごすのは問題外だったんで俺たちはホテルに戻り、俺はアムステルダムで買ったハッパを吸った。それで予想以上にハイになっちまったのでベッドに横たわってエヴァンにYouTubeでカードのイカサマ動画を漁らせた。最初の動画は積み込み技術についてだった。その動画はプロツアーで見かけた仕草にとっても似ていて、プロツアー以外の大会では見たことの無い動作だった。

MTGに「本当の」プロがいないのはいくつか理由がある。本当のプロはウィザーズや競技人口に良い影響を与える存在だとしてもだ。ひどい質のカバレージや、本質的に観戦向きではないことがぱっと思い浮かぶが、いびつなルールも一因だ。リーグオブレジェンドでズルできないのと同じぐらいマジックでズルするのは簡単だ。税金と同じで、マジックのルールは複雑すぎて厳密に取り締まることができない。俺は被害を受けてないけど、プロツアーはイカサマだらけだって確信してる。

簡単な解決策はマジックオンラインでプロツアーやることだけど、それをするにはマジックオンラインがまともなプログラムである必要があるし、紙マジックにも悪影響がある。マジックの物理的制限のせいでカードの取引にはコストがかかるから、大手か狂った奴にしか利益が出ないようになっている。紙は整理整頓やデッキを組むのが大変で、地球の裏側で開催されるプロツアーはおろか、バンクーバーやポートランドに持っていくのも一苦労なのさ。更に、レベルの高い大会ではいくらでもイカサマできることが取締りやまともなカバレージを不可能にしている。
 
なんでesportsからしたらごくわずかなプロツアーの視聴者のためにもっとお金をつぎ込まないといけないんだ?ウィザーズの奴らはプライベートでプロツアーをただの広告費としかみていないと言っているし、マジックのプロ達が小額の賞金をめぐって争っている姿を嘲笑してるのさ。

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俺の不貞腐れた態度は「お前の成績が悪いからPTに悪い印象持ってるんだろ?」で論破される類のものかもしれない。確かに的を得ている部分はある。俺だってもっと成績が良ければちょっとはマシな気分になってたさ。勝つと気持ち良いからこそ皆やってるんだしな。ただ、この指摘はネット社会の正義棒の香りもするんだよな。すなわち、PTを嫌いになったのはPTがダメだったんじゃなくて、PTでもっと上手くやれると思ってた俺自身の考え方が悪いんだ、ってね。

この主張に基づいた記事は全てを客観化するので結局筆者自身の事以外について何も説明できなくなるんだ。筆者がただのゲーマーやチアリーダーとして振舞って、PTそのものについては書かない記事がその最たるものだ。メジャーなMTGサイトであるStarcitygames.com、Channelfireball.com、TCGplayer.comに掲載されている全ての記事の特徴だよ。このタイトルを見てくれ:

SCG:「PT後のスタンダート」「PTでのアブザンコントロール」「ベルギーで良かった事、悪かった事」「イカサマされないようにするには」「PTテストデッキ」

「ベルギーで良かった事、悪かった事」はカードの事で、人やイベントや経験したことでは無い。「イカサマされないようにするには」は読者にイカサマしないよう啓蒙すると同時にMTGの豊富なイカサマ事例について書いていた。後者については後でまた触れる。

CFB:「パンテオンデッキテック」&いくつかのドラフトガイド

パンテオンって天使のファンアートや幼稚園レベルのフレーバーテキストに出てくるような単語だよな。

TCG:「プロツアータルキール龍紀伝アーキタイプ分析」「プロツアータルキール龍紀伝でのアタルカアブザン」「プロツアータルキール龍紀伝でより大きく、より赤く」

TCGプレイヤーはこの業界で最もなりふり構わず宣伝する奴らだ。なので記事の見出しが露骨にSEO対策されてるのを見ても驚かない。2015年4月に他にどんなPTがあったってんだ?

全ての記事において主題はカードであって経験についてではないんだ。ゲームについては沢山あるけどメタゲームについては無いって例えればわかるかな。
MTG以外について書いてある数少ない文節は鈍く、ポジティブで、役所的だ。「旅はクールだった」「世界のトッププレイヤーと試合できて素晴らしかった」「シャハールがクレジットカードゲームで負けてスシを奢ったんだぜ」

全てのMTG記事は基本的にクレジットカードゲームと同じと言える。自分が現実よりもクールで金持ちだってことをアピールする機会ってことさ。これはつまり筆者が(薄汚れた会場やマズいメシや貧困やそこらに転がってる死体といった)プロMTGシーンの現実から目を背てるってわけだ。

また、彼らは自分自身からも目を背けないといけない。皮肉なもんさ。だってMTGは本来プレイヤーの個性をウリにしないといけないはずなのに、筆者は個性を出しちゃいけないんだ。商業的な記事では誰も物議を醸すような事は書けない。もちろん、そんな神話のような記事を真に受ける読者にも責任がある。MTGに騙されてる奴らぐらいしかMTG記事の作り話を盲信してないけどな。という事はMTGプレイヤー以外にはあまり関係ないと思うじゃない?違うんだな。MTGやってなければより楽しめるんだよ。ギャラクシークエストみたいな映画が好きならこれらの記事をエンターテイメントとして読めるはずさ。こいつらを現代のドンキホーテとみなさないようにするには長年の自己欺瞞が必要になるからね。

アンソニー・ローリーは一番笑えるピカレスク書いてくれるね。スペインでの数多の大会で疲れきった彼はラ・マンチャでの人生について白昼夢を見るのさ。

ドン・キホーテはなぜ負けたかわからないから勝つことが出来ない。ローリーは自己弁護に近い文句をこう述べてる「俺のデッキ使って皆勝ってるんだ」。そして俺のリストよりしょぼいテムールドラゴンを3週間後に投稿するんだ。奴は俺よりもPT権利を有効活用してたかもしれないが、PT自体について記事を書くことはなかっただろう。


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MTGを上手くなることと平均的なMTG記事に読む価値が無いと気付くことは同意義だ。PTに初参加するのと他の参加者(そしてお前自身も)がしょぼいと気付くことも同意義だ。君が同じような状況のプレイヤー数名とプレイテストした時点で他の著名チームに遅れをとっているし、オンラインや紙でドラフトやりこむ時間を取れずに実戦で犯すであろうミスを潰せなかった。更に持っていくべきだったカードを忘れて、受付前日に現地入りした結果まだ時差ボケ&二日酔い状態なんだ。

賞金はごくわずか。参加者全体の18%しか賞金を貰えない。そしてその賞金を手にするまでいつも数ヶ月かかる。もし賞金総額がランダムに配られたとしたら平均$600をもらえることになるが、実際はそれよりもっと低いんだ。

俺は6ラウンドのうちラトビア人1人、ドイツ人1人、韓国人1人、そしてアメリカ人3人と試合した。奴らはそれぞれ大会の1、2、3日前に現地入りし、うち1人は月曜に帰らないといけなかった。「仕事」彼は言った。彼のスケジュール並みに会話は悲惨だったな。仮に彼らが面白く、友人になる価値があったとしても、しょぼいホールで睡眠不足でストレスかかってて賞金かけてカードやってる間は友達作るって雰囲気にはならないね。ベテランのプロ達が書く記事にはPTで「友人達に再会」とか書いてるけど、典型的なPTQグラインダーにとっては真逆さ。友達は皆アメリカにいて、それ以上の友達が出来ることは無い。セレブと知り合いになる?無茶言うなよ。彼らのグループには女か社会的地位のある奴らしか入れない。PTは孤独になり勝ちだ。でも他で孤独になるよりずっとずっとマシさ。

9


俺以外の奴ら全員正しかった。スタンで使ったデッキはひどいなんてもんじゃなかった。

ラウンド4、ジェスカイコントロールに負け。「テミュール使うべきじゃなかった」エドは言った。

ラウンド5、スズメバチの巣が俺の高木の巨人に立ちはだかって赤緑ドラゴンに負け。「テミュール使うべきじゃなかった」エドは言った。俺は腹を立てた。なぜなら彼は正しかったからだ。

ラウンド6、前日に現地入りした奴の向かいに座った。「どっから来たんだい?」「サンフランシスコだ」(だろうな。Play the game, see the convention centersの精神だ)

俺の隣にはラウンド1で当たった奴がいたが、そいつもその後1試合も勝っていなかったらしい。「君もあんまり調子良くなさそうだね?」彼は言った。確かに?悲哀は仲間好む、俺を除いてな。俺は緑白アグロにボコられて、スリップにサインし、ドロップにはチェックを入れずにその場を後にした。しょぼいRichard Shermanのジャージーを着替えるために部屋に戻るつもりだった。PT中は他の旅行の日と比べて格段に身なりに気を使わなかったから、また普通の人間に戻りたい気分だったんだ。

ん?なんでUberのアプリが立ち上がらないんだ?「SIMカードを認識しません」ってどういう意味だ?SIMカードはどこだ?俺はカバーを開いたがSIMカードは入ってる。ってことはもっと悪いじゃないか!他の部品が欠けてるのか、、、?数ラウンド前負けたストレスを吐き出すためにトイレ行って携帯落としたのは確かだが。俺は5分かけてトイレに戻り、入っていたと思われる個室の床を探した。んにゃ、何も無い。レベル3の誰かが清掃したのかもしれない。隣を見てみるか。誰か入ってる!もういいや、PCでホテルへの帰り方を調べて戻ろう。いや待てよ、鍵が無い。エドを探さなきゃ。エドも持ってない。「テミュールを使うべきじゃなかった」エドはまた言った。はいはい、正しいよ!エヴァンが鍵を持ってた。「外出るの?」彼は言った。「携帯がぶっ壊れたんだ」俺は言った。ん、皆まだPC使ってる!何でまだPC使ってるんだ?まだラウンド始まってないからだ!何で始まってないんだ?予定時間を25分も過ぎてるのに。周りは同じ方向に向かって俺の横を通りはじめていた、左からざわめきが聞こえる。

「CML!」エヴァンが言った。「こっちきてみなよ!」

ディスプレイにパトリック・チャピンがジャッジと話している姿が見えた。50ヤード先にはもっと良い解像度で同じイベントを観戦出来るにも関わらず沢山の人が液晶を取り囲んでいた。プロツアーはときおり参加者自身にすらアピールに欠けるイベントだ。俺は数分間論争を見たあとハッピーになった。どうでも良かったんだ。だから俺は叫んだ「頑張れよパトリック!もっと大変な告訴も経験したろ!」。誰も振り向かず、誰も笑わなかった。この瞬間ロブが最初のプロツアーの後に「俺は絶対いあいつらみたいにはなりたくない」と言っていたワケを理解した。

元記事URL:
http://toolazytofail.com/2017/01/24/discounting-disintermediation-and-the-death-of-the-professional-card-shop/

MTGの新しいセット、霊気紛争の売れ行きはあまり芳しくない。ホリデーシーズン後でどこもキャッシュフローが厳しかったことに加え、厳冬の影響で配送日に影響が出たせいで大小さまざまな小売が卸値と大して変わらない価格でMTG製品を売りに出している。いくつかの小売にとってカラデシュのボックスはSCGで買うのも卸から仕入れるのも同じ値段だ。
今回のケースはこの業界の小売が慢性的と言い続けている問題の典型だ。俺の店よりずっと規模が大きくて成功しているショップにとってもMTGの新製品の売上は現状ほぼゼロに等しい。俺の店は幸いにも他の取り扱いがあるが、他の店はカード専門の所も多く、MTGが不調だとかなりの数のショップが影響を受けて閉店を余儀なくされるんだ。顧客が卸の価格で製品をネット購入できてしまうと、そもそもそんなに利益があがっていなかったショップオーナーは現金が尽きてしまうし、他の利率が良いビジネスを持っているオーナーはMTGから手を引いてしまうかもしれない。

小売業界の中ではこんな格言がある。「値引きはMTG業界の死に繋がる!」
彼らは間違ってるよ。

カードショップビジネスの参入障壁は無いに等しい。必要なのは人通りの少ない場所にある物件と、中古家具屋で仕入れたテーブルと椅子、あとは仕入に使う現金ぐらいだ。MTG製品の回転率は素晴らしいので、このおよそビジネス的とは言えない行き当たりばったりな計画は、IKEAの家具のように自分の時間を無価値とし、出来上がったモノの耐久性を無視すれば良い考えだと言える。

ネット値引きの問題は、ほんの少し前まで自身が顧客で未熟で値引きする方法以外売上をあげる方法を知らないビジネスオーナー達を付け足すことによってより深刻になる。「私は顧客を買っているんだ」と言いながら儲からない大会に客を呼ぶために儲からない製品を売ったり、その逆をやっている。
それでまあとりあえず彼らは週6で働いて頑張るわけだ。終わりが弁護士を通さずに結んだリース契約の支払や毎月の食費や儲からないことにしびれを切らした家族によって告げられるまでね。で、彼らは店仕舞いするか、別のカモに人生を変える値段と称してビジネスを売りつけるんだ(俺がショップを買ったのも同じ経緯さ)。そんでもって自分でカードショップ立ち上げのノウハウを教えるコンサルかセミナー講師になるんだ。
ハムスターが死んだ時、次のハムスターが学生ローンの支払を延ばして回し車を回し始めるってわけさ。
そしてカードショップが一つ死んだ時、どっかの悲惨な奴がまたリース契約結んで人生で一番貴重な時期を希望的観測が多大に含まれたビジネスプランを基に割の合わない泉に投げ込むんだ。問題ない。凡人のサイクルだ。MTGのプレイスペースは常に存在してるよ、だって数年のリース契約を結ぶ意思のあるアホがいるからさ。前見たときはまだまだ社会はロクな仕事についてない20代を生産し続けていたから、カモたちが尽きる傾向はまだ無さそうだね。

Wotcはもちろんクリーンでプロフェッショナルなショップが欲しいって言い張るだろうけど、その主張に対してリソースを割いてるとは思えないしな。WotCはカモ達が値引き競争で勝手に倒れていくことに対して何もしていない。何故かと言うと彼らにとってはそれは大した問題じゃないんだ、彼らは株主のために企業価値を高める責任があるから。もし君に卸しから顧客に製品を動かしてくれるタダ働きのオーナー達が絶え間なく供給されていたら、そいつらの利益が5%だろうが40%だろうが気にするかい?株主が気にするのかい?

今書いている事は皮肉に聞こえるかもしれない。MTGは俺の売上の4分の1を占めているし、近いうちにその数字が無くなるとは思えない。ただ、俺のお仲間達がこれから数年で少なくなっていくだろうと予測している。MTGは調子良い時はおいしいんだが、MTG専門店を開くのは君の住所を唯一知ってる人が食べ物をずっと運び続けてくれるのを期待する事に似ている。俺の望みは生き残った奴らが他にも食い扶持を確保してキャッシュフローを改善し、でっかい穴が空いてないプレイスペースを作ってくれることだね。

7


翌朝誰かのアラームのおかげで予定より早く、至極不機嫌に目覚めた。マジックの遠征でしばしば起こることだね。俺はダサいジャージを羽織り、シャワーを浴びずにエヴァンとエドと出発した。

俺はタクシーを呼んだあとホテルを出て間違った方向に半区間ぐらい歩いてしまった。そのせいでエヴァンはアナフィラキーショックを起こしかけた。会場を見渡すと、面識がある奴を数名見つけた。CFBの誰かが目の前を通ったが、有名人を見かけるのは友人に出会うことより数段下だ。プロマジックのライフスタイルとは反するが、彼氏を応援するために来ていたらしい古い顔馴染みもいた。俺は彼女の向かいに座って挨拶をしたんだが、彼女は「後で話すわ」と言ってふらふらとその場を立ち去った。

ファンファーレ、祝福、スピーチ、自己肯定が続いた。

「皆さんの精神的コンディションを最高にして欲しい」
会場内の時差ボケで疲れ切った面々にむけて彼らの一人は言った。

奴はきっと本気でそう思っていたんだろうな。他の何人かも同じだったかもしれない。ドラフトのペアリングが2箇所だけに掲示された。人ごみを押しのけて確認するのに時間がかかり、テーブルの番号が卓の番号だと理解するまで更に時間がかかった。俺の卓は比較的楽だ。日本人は一人しかいなかったし、カモも何人かいて、他の大会で良くみかける典型的なマジックプレイヤーばかりだった。

「ただのマジックだ」
ロブは言った。
「やってやれない事はないよ。考え過ぎちゃだめさ」

俺は最初のブースターを開封し、考え過ぎた後血顎の狂信者の代わりに焙り焼きをピックした。そしてウクドのコブラが流れてきた・・・12時間前、俺たちは青黒が卓4まで許容されると結論を出していた。が、いやいや俺は下家に黒を流して返しに緑を貰うぜ!次のパックで俺は邪悪な復活と粗暴な軍族長を流し、自分にうんざりした。この環境はレア次第なんだが俺のデッキには1枚も入っていなかった。

一連のやらかしを奇妙にしたのは、自分が全く緊張していなかったことだ。高揚を感じることができなかった。どう解釈してもらっても良いが、俺が自分自身に何も期待してなかったからかもしれないし、タダでPT行けたからかもしれない。自分のポーカーや演奏の経験が理由の一つだろう事は間違いない。いずれにせよ、自分が何も感じなかったことに対して悪い気分にはなった。



8


スペルを23枚にするためにティムールの呪印を突っ込んでる間これらの事が頭の中をよぎった。その後自己否定に10分間浸った。試合中に俺が解決策や確率を計算してるフリをしてる時は大体そんなことをしてる。
初戦で俺はカモの一人と当たって赤緑ミラーで負けた。ゲーム1では次のターンで勝てるところを溶岩の地割れで負け、ゲーム2では聖書の如くフラッドして負けた。

「協調出来たプレイヤー同士を組んで欲しくないよね」
彼は言った。

俺は負けるべきでは無い相手に負けた事、自分の優越感に対する自己嫌悪、心底イヤな感想戦に対して気分を悪くした。

「どうやって赤緑にいったのさ?」
彼は続けた
「なんかさ、俺はアタルカの命令をファーストピックして、もう初手級っしょとか思って、んで赤緑が全然来なかったんだけど理由がわかったよ!」

俺は絶望で頭を振った。アタルカのクソ命令!??ウクドのコブラを流して!?そして、自分を貶めたメッセージをフェイスブックの友人たちに送ったよ。こんなに自己嫌悪に陥ったのは前回の競技マジック以来だ。プロツアーには弱いプレイヤーが沢山いるけど、自分自身がそういったプレイヤーに負けるのは、正気でこのゲームを続けるために自分を卑下する行為を逆撫でするものだね。

次のラウンドは更に笑えた。相手はあまりに緊張していて、ハローさえどもらずに言えなかったんだ。奴の握手はスティーブンホーキングがパーキンソン病を一時的に渡したようだった。奴は数々のミスを犯したが関係なかった。俺はストレートで負けた。この時点で俺のお土産袋は壊れ、洗濯物が詰め込まれていないリュックを持っていなかったのでお土産袋をもう一つ貰った。欲しけりゃ2ドルで売ってやるよ。

その次のラウンドはまた更に笑えた。対戦相手は韓国人だ。言語の壁により対話の無い試合になる事は予想出来ていたんだが。1ゲーム目は負けだ。俺のポジションがどれだけ絶望的だったかは彼のジンモンクトークンの一つがサイコロだった事によって隠された。(対戦相手の半分以上がダイスや紙を借りていた・・・俺もだ。そして俺がライフパッドが黒過ぎて何もメモ出来ない事を言うと、隣の席の奴が頭を振りながら「典型的なWotCだな、、、」って。わかってくれたか!)まあそんなわけで俺は韓国人にゲーム2とゲーム3をマリガンさせた。彼の状況が悪くなったところで映画のようにデッキをトントンし始めたんだ!旅行するとステレオタイプについて理解を深めることが多いが、オタク達はどの世界でも俺が大体想像した通りだったな。

1-2はこのデッキに対して公平な結果だと思えたし、ポジティブな気持ちで昼飯に向かえた。ここで、恥ずかしい秘密を明かさなくてはならない。昼飯は提供されると思っていたんだ。

馬鹿な俺だよな?15分列に並び、10ユーロを払い、2オンスのバーガーを平らげでマズイコーヒーを飲んだあと自分の期待がどれだけ馬鹿げた事だったかを理解した。エリア内の最悪な町の最悪な会場を借りる事に関してはWotCは一流だ。昼休みはちゃんとした食事を取るために必要な時間には全く足りなかった。ブリュッセルはそれ以外では最悪だがメシは最高なんだがな。

もちろん昼休みに何も食わないよりゃマシだ。エヴァンはトイレ行くからって列を離れたんだが、10分かけて小便してたんじゃもう戻れない。彼は昼休みの終わりが近づいているのにMOの8構が埋まるのと同じ速さで進む列の最後尾に戻らなきゃならなかった。日光は俺を原人のような気分にしてくれたから、ジョシュがくれたタバコの残り半分を吸って、フレンドリーなオーストラリア人と喋ったあと会場に戻った。俺の自己嫌悪は完成に近づいていた。

5


重ねて言うが、俺は良いプレイヤーでは無い。だから良い成績を収めるためには飛んでもなく強いデッキが必要だった。

シアトルでテストした時には揺るぎないサルカン入りのRUGに執着してた。デッキはとんでもなくしょぼそうに見えたが、何故か既存のデッキに対する勝率は圧倒的だった。

でもその事とホテルのドアをノックした時興奮していたのは全く関係無かったけどね。一人で旅行してると寂しくなりがちだ。知人と一緒に新しい経験をするのがほとんどの場合一番楽しいもんさ。その時は多分社交的になりたい気分だったんだ。

エヴァンがドアを開けて微笑んだ。エドはノートパソコンを畳んで挨拶してくれた。部屋にはマジック旅行記によく出てくる光景があった。冷蔵庫の上にはシリアルの箱があり、MOと紙でプレイテストが出来るよう家具が移動されていた。

無味乾燥なホテルの部屋、マジックしか接点の無い友人、そしてマジックというゲームそのものが、素晴らしい体験ばかりだった先週に比べて自らこの状況を作ったことに対して俺を落ち込ませた。

・・・エヴァンとエドはアブザンアグロをテストしていた。俺もこのデッキは高く評価しいて、大会で使う事も考えていたんだ。いつもならすんなり誰かからデッキを借りれただろう。でも、旅行中に数百ドル以上の価値があるものを持ち歩きたくなかったんで生憎とテミュールのカードしか持って来ていなかった。テストではアブザンと5分ではあったが、エヴァンとエドは二人とも悪評価だった。地元のPPTQでテミュールを使って芳しい成績を残せなかった友人たちもその評価を後押ししていた。カードが無いことがこのレベルの大会で問題になるなんてアホ臭いと思ってるだろうが、何千キロも離れた場所ではありがちだ。俺の他の選択肢は赤単だった。パリの近未来的なバーに入り浸ったりアムステルダムでいかがわしい煙を吸った後なら尚更プレイテストは難しい。マジックはモチベーションと強い意志の力が必要だけど、リアルが充実すると大体その二つは蒸発しちまうもんだ。これはリアルが充実しているとは言い難いプロチームがPT初心者に対して持ってるアドバンテージの一つだね。

様々な可能性、不明瞭なメタ、ソリューション探しに躍起な強力なプロチームといった要素が揃った大会ではプレイテストが難しい。テストの結果に対する自分自身のバイアスを把握していないと、それがちゃんとしたフィードバックになり得ないし、金曜のペアリングの運が良い事を祈るしかなくなる。それでもって、テストのパートナー達の意見にもバイアスが掛かってたらどうするんだ?

その日は赤単を作って1日中テストしたんだが、自滅の頻度が許容範囲を超えていた。アブザンアグロみたいな最悪のマナベースとカーブを持ったデッキにすら相性が悪かったのはダメだったね。一方テミュールはまたアブザンと5分だったので俺は皆に止められたにも関わらずこれを使うことにした。

でも自分以上に信用できる奴なんでいるかい?時間と結果が、人生という試行回数がマジックにとって少すぎる事を示している。更に、間違った事を認めそれに対してアクションを起こすには何ヶ月(時には何年)も掛かるんだ。それが一生出来ない奴もいるし、俺も皆と同じように自分がいっぱしのプロマジックプレイヤーだと信じ込んでいたんだ。



6


俺が一番最初に出場した大きな大会、2012年12月に開かれたSCGIがプロマジックについて考察を始めるきっかけとなった。レイド・デュークがあんな難しい事を成し遂げたにも関わらずたったの1万5千ドルぽっちしか貰えないのをとても馬鹿らしく思ったんだ。今ではSCGIの優勝賞金は1万ドルになり、LAみたいな良い会場じゃもう大会を開かなくなっちまった。

これは全体の傾向の一例だ。SCGシアトルはまずタコマに移って、そっからポートランドだ。SCGアトランタは本当のアトランタから15マイル離れてる。SCGサマーセットはセントラルジャージーの唯一の町で、公共交通機関じゃ行けない。

WotCはSCGより大分裕福で、大分ケチだ。ブリュッセルのTour and Taxisは自身を洗練された体験と呼んじゃいるが、実際はロフトの代わりにイベント会場へと変化したでっかいレンガの塊だ。Thurn und Taxisって貴族の末裔は今じゃサッカーの実況者にまで落ちぶれてるが、Tours and Taxisは寒い駄洒落を連発するマジックの実況を思い起こさせるね。

俺たちのタクシーが会場について建物を見たとき、何でPTがアムステルダムやデュッセルドルフじゃなくてブリュッセルで開催されたのか理解したよ。絶対に立ち寄らなきゃ行けない限り誰がこんなホコリ臭い会場と町に来るんだい?ブリュッセルはヨーロッパのワシントンだ。この会場と比べたら俺たちのホテルも随分高級に見えた。

グランプリに参加した事があるなら、会場以外にもWotCのケチ臭さが発揮されてる事を知ってるはずだ。近年本物のe-sportsの賞金が爆発的に増える一方、マジックの賞金は頭打ち。レガシーGPの優勝賞金はBUGを作るために必要な額より少ないんだ。PTの常連ぐらいにしかPTの優勝賞金は”人生を変える”金額とは思えないだろうな。でも、それでもなぜか俺はWotCが見かけだけでも参加者のケアに金かけると思ってたんだ。残念!俺たちの”土産袋”には質が悪くて絵がしょぼいスリーブ80枚と、カードショップで2ドルも出せば買えるようなデッキケース1個と、公共の場で着るのはためらわれるTシャツ1枚と…あとは何も無い。プレイマットが欲しけりゃ40ユーロ払わないといけないし、デッキに足りないカードもぼったくりの値段で並んでた。WotCはプレイヤーから金を剥ぎ取ることを止めないね、そんな理由無いもんな。

龍詞の咆哮を2枚買うために数ドル払って土産袋担いでタクシーを呼んだ。運転手は英語を全く喋れなくて行き先を伝えるのに苦労した。携帯はベルギーの国番号をアーカンサスの州番号と勘違いしてるし、そこで数分無駄にした。エヴァンはそれでイライラしたけど、そっからレストラン選びに30分は無駄にしてた。自分の一番の親友以外と旅行するのはなかなかリスキーな判断だけど、食事をマジックプレイヤーと決めたり英語を喋れない地元民とコミュニケーションを取るのはかなりの冒険だ。一人旅がどんなに快適だったかって気付かされたよ。

エヴァンがウエイターに前菜にピーナッツが含まれているか聞いた後、俺たちは注文した。

「もちろんこれぐらいは時間かかるさ」
彼は言った。

「ヨーロッパだからな」

俺たちは食べた。

「まあ今夜はもうプレイテストしないな」
エドが言った。

「会計ってしてくれないの?」
エヴァンが言った。

「呼ばなきゃ来ないよ」
俺は言った。

「君、彼らの言葉喋れる?」
エヴァンが言った。

「いや」

「それでも大丈夫なの?」

「まあね」

会計してもらって金を払った。

「メルシー」
俺は言った。

「メルシー!?」
エヴァンはつぶやいた。

他のレストランでマジックプレイヤーと仲良くなってドラフトをする事になった。会話はマジックについてしか弾まなかった。最初のプロツアーで良い友達を作れた奴っているのかな?俺はまあまあな赤緑をドラフトして、エヴァンはオジュタイの語り部から突撃陣形を2回決められてボコボコにされていた。特筆すべき事が何も無かった1日の中で、唯一笑えた出来事として俺の記憶に残ったな。

続く
3

プロツアーでどうするかってのは出るまでは気にしてなかった。決まった後で良い成績を残したいって思うようになった。いいじゃないか?マジックで唯一準備をする価値が金銭的にある大会だからな。

俺たちの準備は下記の通りに進んだ:

MOのベータでプレイテストした。結果沢山のバグを発見し、ウィザーズへ報告はしなかった。デッキのテストはバグのテストに変わった。

紙でDDFドラフトを1、2回した。2週間前にヨーロッパへ出発したのでオンラインは無し。

ロンドンのフルハムにいる友達の友達とキューブを1回遊んだ(ジェームスありがとう!)。

アムステルダムとパリとロンドンのしょぼいナイトライフについて友達にメールで相談した。

アントワープでカフェモックスの半額で買えるビールを飲んだ。

良くないやり方だって批判される事は承知してるさ。本当に良い成績残したかったかって?そりゃそうさ。けど、旅行より優先されるものでもない。俺にとって初めてのヨーロッパ旅行だし、その間マジックに費やす時間を減らすのはプロツアーでダメだった時、自分への良い言い訳になるから。


4


海外遠征の最初の1週間で沢山のメモを書き残した。旅行の特権と言うべき、珍妙な経験の記録として。マジックについては何も書かなかったがね。ベルギーに到着するまでプロツアーについてほとんど考えなかったし、着いたあともそれはさほど変わらなかった。

アントワープではキューブ製作者のジェイソン・ワデルに会った。

「俺はもうマジックで起たなくなっちまったよ」
彼は言った。

「なんで?」

「他の事で忙くてな」

「俺もだよ」

「君はまだ現役じゃなかったっけ?」

「ああ」

「プロツアーに出るためにここに来たんじゃなかったっけ?」

「まあ、、そうなんだけどね。良い口実だったんだ」
(俺自身プロツアーに行くことよりヨーロッパに行くことの方が優先度高かったからな)

「まあでもチャネルファイアボールが俺のヴァンパイアの記事を載せてくれたらいいな」

ジェイソンは笑った。
「奴らは俺の記事すら載せてくれないな。昔他で寄稿してなかったっけ?」

してたよ。

「俺のコラムは時間の無駄だったよ」

俺は言った。

「金にもなかったし友達も増えなかった。キャリアの上で有利には働かなかったね。何も学んだ事は無かった」

彼は答えた。
「マジック文化についての全てが酷いもんだったって思ってた俺はおかしいのかな」

「そんなことはないよ」
「マジックの友人は好きだが、俺たちは輪っかの外にいるような気はするね。スタークラフトやってて友人は出来なかったよ」

「素晴らしいゲームだよな」
ジェイソンは言った。

「ああ。以前一緒に遊んだ奴は今じゃスタークラフト2の解説やってて、ミスオレゴンとヤッてるみたいだぜ」

「スタークラフトのカバレージな」
ジェイソンは言った。

「もしくはeスポーツの実況解説なんだが、彼らはそれが重要だって自覚してる。試合中に凄い事が起こってるって観客へ常に発信してるんだ。一方マジックの奴らは凄い事が起こってるって観客を常に説得しようとしてる」

「自分自身も騙そうとしてるのかね?」

「だって、そうでもしないとやってらんないだろ?」

俺たちはもう一杯飲んでほろ酔いになった。

「PTで何使うんだ?」ジェイソンは言った。

「ティムール」

「それは何色なんだ?引退してしばらく経つんでね」

俺は説明した。

「思うんだが、マジックのカードの値段を気にするには貧乏じゃないといかんね」ジェイソンは言った。

「アパートにタルモゴイフのセットをしまってるんだが、ここ半年誰にも使われてないし、値段も全く確認してない。だってどうでもいいだろ?モダンマスターズ2がそろそろ発売されるって聞いて、それに入ってる新しいカードについて何も知らないけど、まあ日常は過ぎていくよな」

翌日俺は正午に目覚め、ブリュッセル行きの電車に乗った。ベセスダ並みにつまらない地域を足早に歩き、エヴァンが安いからって勧めてくれたホテルに到着した。

つづく
ご無沙汰しています。
普段翻訳している記事とは毛色が違いますが、割と面白かったので。
長いので4~5回に分けて更新していきます。
元記事はこちら:
http://legendstech.tumblr.com/post/117807127391/the-magic-the-gathering-pro-tour-sucks


THE PT SUCKS

a Magic article by: CML




1


俺が初めてマジックザギャザリングのプロツアーに出たいと思ったのは2011年だった。人生が危機的状況にあった時、親友が俺の人生の目標は何かって聞いたんだ。そんなもの無かったことに気付いたんでどもってしまったけれども、最初に思い浮かんだものを吐き出した。

「プロツアーに出たい」

奴は察した。
そして笑いながらこう言った。

「それだけ?」

「いや」

俺は嘘をついた。



2


その時点ではプロツアーは俺にとってローウィンや黄金郷のような概念上の存在だった。
それが実際はどんなものか全くわからなかった。もっと言えば紙のマジックがどんなものかすら知らなかった。
経験と言えばM11、ROE、ZENを現物化したカードと、今じゃとっくに潰れてしまったが田舎者だって目ざとく感づいたディーラーに売ったシングルで作ったデッキで1回大会に出たぐらいだった。
初心ってのは簡単に忘れてしまうね!マジック自体よりもコミュニティの独特なローカルルールや非論理性と適当さのルール無用なコンボに慣れることのほうが難しかったな。

当時俺はネットに住んでいた。

文章を書いたり、セックスしたり、楽しくは無かったが大学に通ったり、その他の「普通な」事をしていた過去には背を向けたんだ。

2年間の闘病生活と東海岸の文化的常識は俺をひどく痛ぶったが、俺は俺自身をもっと痛ぶっていた。

その深い鬱から復帰するために、自分がやってきた事を忘れるために、今ある問題を先延ばしにする必要があった。

その結果自分を見失った。

その結果時間をMOに費やした。

抗鬱剤と孤独は、ネットに書いてあることを鵜呑みにするだけで他のことを何もしようとしない(言い換えるとプロツアーに憧れるような)奴らが信じそうな都市伝説に対して抵抗力を弱めた。
その目標がいかに無意味だと思っていたかを思い出す。プロツアーに出るために頑張るという事はバカバカしかったかもしれなかったが、ニューヨークの金融業のように他人に迷惑かけるようなものでもない。
それは俺自身の選択だった。

それから3年半が経った。抗鬱剤はやめて社会性は増し、マジックに関わることは減った。
マジックを通して友人が出来た。敵も作った。
ネットに住み着いてる俺の知り合いの一部はマジックは人生で起こり得る中で一番良い出来事だったと言い、プロツアーはマジックで一番良いものだと言った。今もマジックを続けてる奴は少ない。
信用できる知り合いの一人はまだ続けていて最近プロツアーに出たんだが、プロツアーは酷いと語った。

これらを経た後でも自分が目標を達成したことに驚いてる。
長年の経験は2010年と2011年当時の俺が知りえない事を教えてくれた。

俺はカードゲームが上手くない(おそらく高い確率で君もだ。プロツアー出場経験があってもだ。後でまた書く)。

でも、デッキがかなり良かったおかげで俺は予選のトップ8に潜り込めて、準決勝に進み、決勝に進み、優勝した。後者になればなるほど俺にとってはありえない事だ。

マイク・フローレスみたいな詐欺師やセールスマンが言うような喜びと達成感を俺が感じなかった事に読者は驚くかもしれない。
嬉しかったよそりゃあ。負けるよりはね。

最終的には大会の身体的負担と前日の睡眠不足が勝ったな。親友のロブがPTQを優勝した時も同じような気持ちだったそうだ。
深い霧と長くて暗いトンネルを通してでしか大会を思い出せなかったんだ。


続く
元記事:
http://www.mtgbrodeals.com/2015/10/05/bfz-fat-packs-and-why-its-all-your-fault/

君が購入したその日に$60で売れるモノをカードショップが$40で君に売ってくれなくて大変申し訳ない。そもそもお前はなんでファットパックが欲しいんだっけ?この記事は毎回ファットパックを買う少数派に向けてじゃない。もし馴染みのカードショップでいつも買い物をしたり、大会にも出てたりしていれば何の問題も無く定価でファットパック買えるだろうよ。該当しているにも関わらずまだ定価以上のお金を払って買っていたとしたらごめん。ただこの記事は君に対してじゃなくてその他全ての人に向けたものだ。

何でファットパックが欲しいの?

一般的にファットパックはコスパが良いとは言えないし、俺もそう思ってる。パックの定価が$3.99だとすると、同梱品のサイコロ、箱、小冊子に$4払ってる事になるわけだ。俺はセット毎に2,3セット購入してるけど、それは沢山のカードを発送する時に箱が便利なのと、他のボックスを開封して最初の数パックで当たりを引いた時、他のランダムなソートのパックを開けたくなるからだ。まあコスパは最悪ってほどでも無いけど、$40でファットパック買うぐらいならもうちょっとお金足して友達と一緒にボックス買った方が良いからな。というわけでファットパックはあまり売れない。で、あまり売れないから比較的少ない量が刷られる。

じゃあ何で今回だけみんなファットパック欲しがってるのかな?もちろんフルアートの基本土地が欲しくて、それらを全部デッキに使おうとしてるから、かもしれないけど、多分違うだろう。大部分の人にとって今回のファットパックは定価以上の価値があって後でもっと高く売れるから欲しがってるんだ。だって、本当にフルアートの基本土地だけが欲しいんだったらフルアートの基本土地を買えばいいじゃん!本当に5種類全部の土地が同じ数だけ欲しい?特定の種類以外のアートの土地も欲しい?両方とも多分違うでしょ。じゃあなぜ特定のフルアート基本土地を買いにいかないんだ?これは皆が耳をふさぎたくなる一番大きな次の理由に繫がってくる。

仮需要と君

BFZファットパックの需要はめちゃくちゃ高い。で、それが定価を上回る市場価格に繫がる。この需要のほとんどは実情を反映していないし、WotCがもっとファットパックを刷らない理由でもある。次にあげる数字は完全に創作だけど実際のものとかなり近いはずだ。

通常のセットではファットパックが10万部刷られるとしよう。需要は大体7万5千部ぐらいだ。これが新セットのリリース後長い間あちらこちらでファットパックが展示されている理由だ。ファットパックはいつも1回しか刷られないんだけど、数か月、または数年カードショップの在庫として腐っていく。これは誰でも知ってる事だし、もし君がファットパックを転売の対象以外の見方をした事があれば既に知っている事だろう。

さて、BFZの例に戻ろう。これも10万部刷られたとする(確定する事は出来ないけど、今回はこれまでの需要をやっと反映させたために実際に刷られたのはもっと少ないそうだ)。今回の需要は100万部なので、市場価格は定価より上がる。典型的な需要と供給の例だね。ただし、今回の需要のほとんどは仮需要だ。

ファットパックを欲しがってる人は刷られた数より10倍多いかもしれないけど、実際はそんなに沢山欲しい人がいるわけでは無いんだ。堂々巡りに聞こえるかもしれないけど、商品に対して需要がある事に対しての需要ってのがある。この需要は、実際の需要が供給より大きいから転売して楽に金儲けが出来ると考える奴がいるから存在する。沢山の人がWotCに定価で取引されるまで印刷しろって文句言うんだけど、その需要は人工的なものだ。もしWotCが言いなりになぅて100万部ファットパックを刷ったとしても実際には20万部しか売れず在庫は余りまくり、会社の損失になる。

今俺は君が聞きたくなかった事を言ってるから俺が大嘘つきだと思ってるかもしれないけど、同じような例が最近あったよね?真の名の宿敵とコマンダー2013覚えてる?当初の需要はめちゃくちゃ高くて、グリクシスのコマンダーデッキは定価の約2倍だった。皆最終的に需要通り刷られる事は知ってたんだけど、初版はそこそこ少なかったから皆飛びついた。で、次に刷られた時は誰も欲しがらなかった。皆もっと刷るようにねだってたのに、やっと希望通り刷られた時にはもう棚や倉庫で腐ってたってわけだ。Mind Seizeはエターナルで現役のカードが入っているのがウリにも関わらず、現在アマゾンで20ドルで購入出来る。なぜかって?そりゃあ皆実際にそれらを使うために欲しかったわけじゃ無くて、その商品の価値が高いと信じてたからさ。WotCが仮需要を満たした途端”爆アドじゃない”から需要が消え去ったんだ。

本当に吊り上げてんの?

ここまででなぜWotCがやみくもに供給数を増やさないかって事と、君が文句を言いながら本当に欲しくも無い物を欲しいって自分に嘘ついてる事を書いたので、価格の吊上げについて話そうか。インターネットの皆は価格吊上げってどういう事か知ってるかな?俺たちカードショップは猛暑日にディズニーランドでミネラルウォーターを6ドルで買うしかない事を知ってるディズニーショップじゃ無いんだ。あと、GP開始1時間前にジェイスを唯一在庫で持っててたため$100の値札を貼りつけてるディーラーでも無い。 ファットパックの値段は君たちから搾取するために付けていないし、不合理に価格を吊上げた結果でも無い。この価格は市場の需要が原因で皆が価格を押し上げた結果なんだ。さっきも言ったけど、これは市場価格と呼ばれるもので、不当な価格吊上げじゃ無い。皆が言う吊上げの定義からかけ離れ過ぎてて誰かが吊上げって言う度に俺の脳ミソがズキズキするよ。そうそう、市場価格と言えば、これはどう・・・?

そもそも定価で入手出来ないでしょ

わかった。百歩譲って全世界のカードショップが$40でファットパックを販売したとしよう。でも君はその価格で買えないよ?頭が良い#MTGFinanceの奴らが徹夜で並んで全部かっさらっちまうからね。んで、結局市場(もしくは奴らが意地悪ならそれ以上)の価格でebayみたいなオークションサイトで購入する事になるんだけど、店頭で買う代わりに今度はebayで落札した後商品が届くまで待たなきゃいけない。俺は短気だからパック買ったら3~5営業日待つんじゃなくてすぐ剥きたいんだ!カードショップが市場価格通りに店頭に並べれば、定価より高いとは言えその場で買って開けられるようになるんだけど、君の望み通り$40で売られたとしたらその選択肢すら無くなる。不便だろ?

以上が俺の主張なんだけど、こっからはいくつか皆がいつも言ってる事に対して反論したいと思う。

「でもショップは○○で充分儲かって…」

ない。MTGの口銭はひどいもんだ。小売は大体定価の50%引きが仕入値ってのがギリギリなんだけど、MTGの場合長らく定価の49%引きだったよ。わかったわかった、WotCの勝ちだ!1%はもってけよ!!で、最近はそれが47%に改訂された。だもんで君たちが大好きなWalmartやTargetじゃMTGを定価以上の価格で売ってるワケだ。他の業界じゃこんな口銭はありえない。ということで他の大手小売だとパックは$4.18だし、ファットパックは$43.99さ。俺は大手じゃあまり買わないけど、色んな奴から話を聞く限りはこんな感じだ。

それから、誰もボックスに$143.64なんて払わないからほとんどのカードショップは定価で商品を並べてない。大体皆が買う時の相場は3パック$10とかボックス$100以下で、それだと口銭は25~35%。これじゃあとても”充分儲かって”なんかいないけど、それでも人気シングルの20%よりゃマシだ。だって、どんなアホが俺が$70でジェイスを売ると知ってて$35で売ってくれるんだよ?いるわけないよな?MTGの儲けは少ないから薄利多売でやってかなきゃいけない。需要があるファットパックの販売価格を上げたところで何の問題あるんだ?定価より高い事に文句言われるのと、定価で売りきって在庫が無い事に文句言われるんだったら、俺は儲けて定価より高く売る方を選ぶね。

「お客様に誠実になれよ!」

このクレームの皮肉な所は、こういう事を言う奴は大抵「オレはいつでもWalmartに行って同じモノを買える」とか言うわけだ。言っておくが、俺達カードショップはお客様に誠実だよ。ここで言うお客様ってのは毎週お店にドラフトを遊びに来てくれたり、アメコミの発売日に並んで買ってくれる常連の人達だ。それから新セットのボックスやファットパックも買ってくれる。俺達はその人達の事を認知しているし、彼らに尽くそうと最大限の努力をする。以前オバマが載ったAmazing Spider-Man #583が発売された時、カバーにオバマがいない通常版ですらネットで$65で取引されてたけど、常連全員に定価の$3.99で売ったよ。ここではアメコミの例を挙げたけど、まあそういうことだ。

でもな、彼らはこんなクレームは絶対に言わない。今朝、どっかのアホがカードショップは客に誠実であるべきだけど、俺たちMTGプレイヤーはネットで最安値で売ってる○○から買うんだとか言ってたからな。いつものことだから別に今更驚きはしないけど、店に対して最も誠実じゃ無い奴らが、俺達は客に対して誠実にあるべきって厚かましく言うのは本当に面白いよ。

結局、何の意味も無い

そう。この記事の一字一句全て何の意味も無い。俺が何を書いた所でカードショップは強欲で不当に価格を吊り上げるクソみたいな奴らだ、っていう君の意見は変えられない。君が何をわめこうが、君が特権意識があって泣き事が多い奴だって言う俺の意見を変えられないようにね。違いは俺の意見は正しくて事実に基づいているけど、君の意見は現実を無視していて、君が欲しいものと自分の損得に基づいてるって事だけだ。そんな生き方が良ければそれで別に良いし、俺が変えられるものでもない。ただ俺はこうやって記事にする事によって、君がこれを読んだ時事実を認められず嘘をつき続ける事によって悶々として欲しいだけだからな。

俺の望みはWotCが実際に仮需要の分だけファットパックを刷る事だね。そりゃあ在庫は倉庫で腐りまくって会社に与える損失はでかいだろうけど、本当にファットパックを欲しがってた人全員に行き渡るし、WotCにもっと刷れってクレームしてカードショップに定価で売る事を強要して金儲けしようとしてた奴らは定価の半分でも転売出来なくなるんだ。そしたら俺は笑顔になるね。

ご無沙汰してます。
SharpbotがMOから失踪して以来なかなかチケまとめが出来ず。
加工しやすいリストを見つけたらその内再開したいと思います。

MOではまだまだ先の話ですが、Pure MTGOでM13のセットプレビューを発見したので翻訳します。この筆者は去年ぐらいからリミテッドの考察記事を書き始め、その斬新な切り口と文章の上手さであっという間に評判になり、大手サイトから引き抜きのオファーが届くという履歴を持っていて、記事自体もとても面白いです。
通常のスタイルはMOで何百試合とリプレイを見て、そこからの統計データを基に記事を書くというものなのですが、今回は基本セットのプレビューという事で若干違う方面からのアプローチとなっています。

残念ながらDNの制限でグラフを転載する事が出来ないため、不便ですがちょこちょこ原文のリンクに飛んでグラフを見ながら読むのが良いと思います。

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Arcanum: Magic 2013 Primer By: oraymw, Matthew Watkins
Jul 05 2012 8:26am
http://puremtgo.com/articles/ars-arcanum-magic-2013-primer

いよいよM13のプレリリースまであと1週間を切り、とてもわくわくしています。皆もそろそろAVR環境に飽き飽きしてるのでは無いでしょうか?今回はM13と過去のセットの統計を取り、M13の環境を分析したいと思います。

まだMOではM13がリリースされていないため、いつものようにリプレイからデータをお見せすることは出来ませんが、カードの数字を分析してそれらを過去のセットと比較することは出来ます。毎回リリース前にこのような分析を自分で行って、アドバンテージを得ているのですが、今回は分析結果を皆さんに公開する事にしました。
この記事では環境のクリーチャーのマナコストやパワー・タフネスのグラフを作成し全体像を描き、そのデータを過去のセットと比較します。更に賛美のようなセットのメカニックに注目しそれが環境にどのような影響を与えるか考察します。
他の人のようにカード毎の考察はやりません。そういう人は既に沢山いますしね。記事の目的はカードがどのように相互作用するかを調べる事です。この種の考察はどの色が一番強いかをお見せする事は出来ませんが、カードが場に出た際の役割を理解するために役立てられます。

クリーチャー:
リミテッドはクリーチャーです。どのフォーマットを理解するにもまずクリーチャーを理解する事が第一歩になります。全てカードの質はクリーチャーとの関連性によって決まります。例えばStaggershockはほぼ全てのリミテッド環境でレアクラスの点数が付けられます。しかしながら、RoEではバランスのとれたコモンという扱いでした。なぜなら除去したい大半のクリーチャーはタフネスが3以上だったからです。ZZW環境でKraken Hatchlingは高評価でした。なぜなら最初にパワー2&3のクリーチャーをブロックする必要があったからです。
Vampire Nighthawkがボムだった理由の一つとしてZZWにパワー2のクリーチャーが多かった事があげられます。オンスロートでは3マナ2/2が多かったため、Glory Seeker(2マナ2/2)はファーストピックする価値のあるカードでした。

では、問題はM13のクリーチャーの傾向から何を学べるかです。グラフを見始める前に数字の算出根拠から説明します。環境を分析するにあたってありがちな間違いとして、カードのレアリティを考慮しない事が挙げられます。枚数が多いコモンは神話レアより大きな影響を与えます。なので単純に全てのクリーチャーのP/Tの平均を求めてしまうと神話レアが平均を引っ張ってしまう事になります。というわけで、ちゃんとレアリティー毎にセットの配分を決めてやることが鍵と言う事です。

M13の内訳はコモン101枚、アンコモン60枚、レア53枚、神話レア15枚となっており、1パックに土地1枚、コモン10枚、アンコモン3枚、レア・神話レア1枚が封入されています。レアスロットには8分の1の確率で神話レアが封入されます。これによって、1パックの中身の平均を求めることが出来ます。これらを考慮すると、ドラフト1回につき1つのコモンが平均2.376238枚出現する計算になります。それ以上もそれ以下もあり得ますが、例えばPrey Uponが1回のドラフトで出現する平均はこの枚数です。
同じくアンコモンは1.2枚、レアは0.396226枚、神話レアは0.2枚となります。つまり、M13ドラフト5回につきジェイスが1回出現するという事ですね。

グラフ:M13クリーチャー(原文参照)

クリーチャー統計平均:
マナコスト 3.145629
パワー 2.170568
タフネス 2.454161
P/T差異 -0.28359


下のチャート(原文参照)では全クリーチャーのコスト、パワー、タフネスを合計し、レアリティー毎の出現確率で調整して合計した数字を記載しています。このチャートではドラフト1回につき下の数字のカードが何枚出現するかを見る事が出来ます。例として、M13ではマナコスト4のクリーチャーが42.28枚出現し、パワー2のクリーチャーが56.76枚、タフネス2のクリーチャーが53.57枚出現する事がわかります。上記テーブルではそれらの平均を記載しました。PT差異とはパワーからタフネスを引いた数字です。パワーの方が強いので、平均パワーが平均タフネスより低いセットを良く見かけます。

これはマイナスの値が大きいほど遅い環境になる傾向があり、差異がゼロに近かったりプラスの値になっている環境は速い傾向が見られます。
いきなり孤立した数字を出されても分りづらいと思いますのでM12の同様のチャート(原文参照)をお見せします:

ここではいくつか注目すべき点があります。一つ目のポイントはマナコストです。平均マナコストが3.146というのはかなり低い数字で、例えばAVRの場合3.43であり2マナのクリーチャーが足りない事を示しています。チャート(原文参照)を見るとM13ではコスト2、3、4のクリーチャーが沢山居る事がわかります。重要なポイントは、環境は供給が少ないカードで左右される傾向があるという事です。AVRは2マナ域が少なかったため速い環境でした。なぜなら2マナをガメたデッキは他のデッキに対してダメージレースで有利だったからです。

M13では低マナのカーブを埋めるのは容易です。その代わりに5マナや6マナのクリーチャーが少なくなっているため、ゲーム後半で勝敗を左右するこれらのカードをピックするのは難しいかもしれません。
次に、パワーとタフネスはマナコストより先にピークがあります。これは普通の傾向で、マナコストが3や4のクリーチャーが1や2のパワーを持つことが多いからです。ただこのピークから2つ読み取れる事があります。通常、セットに大体40枚前後の2・3マナがあります。

また通常のセットはパワー1を40枚と60~70枚のパワー2のクリーチャーを持っています。つまりM13は平均より多くパワー1のクリーチャーがおり、平均より少ない数のパワー2のクリーチャーがいるという事になります。
3つ目に、変曲点の(パワーとタフネスがコストを下回る)位置に注目してください。M13では変曲点は3です。他のセットでは大体2.5が普通の数字となります。どういう意味かというと、M13ではコスト3以下では効率良いクリーチャーが少なく、逆にコストが上がるほど効率が良いクリーチャーが増えます。

最後にパワーとタフネスの違いを見てみましょう。M12ではパワーは2、タフネスは1にピークがあります。その後もタフネスがパワーより低い傾向が見られます。これはM12のP/T相違がゼロに近いことに原因があり、環境を速くする事に貢献しています。
タフネスよりパワーが高く、マナコストが低いクリーチャー沢山おり、これらのクリーチャーは最悪でも1:1交換となるためアタックする傾向があります。ですが、M13ではマナコスト5までパワーがタフネスより低くなっています。つまり序盤でダメージを与えるのが難しい事を示しています。
これら全ての点はM13の環境が比較的遅いという証拠になりえます。ただ、何と比較してなのでしょう?理解を深めるためM12、M11、AVRの同じ数字と比べてみましょう。

セット コスト パワー タフネス P/T差異
M13 3.14 2.17 2.45 -0.28359
M12 3.34 2.33 2.36 -0.02733
M11 3.22 2.41 2.61 -0.19399
AVR 3.43 2.58 2.45 0.123257

上のテーブルでは過去3つの基本セットとAVRの統計を記載しています。
最初の行はマナコストです。ここではM13のマナコストの平均が一番低い事がわかります。興味深いことにM12とAVRは速い環境にも関わらず平均コストが一番高くなっています。一見矛盾しているように思えますが、前述の通り環境は供給が少ないものに左右される事が多いのです。M12やAVRではマナカーブが高い相手が多いため序盤からアグレッシブに振舞えるデッキを作ったプレイヤーが勝ちやすくなっています。M13やM11ではよりリソースで優位に立てるカードを使ったプレイヤーが有利になります。Divinationのようなカードは盤面が膠着してトップデッキ勝負になりやすい環境でとても活躍します。

次にM13はパワーの平均値が最低になっています。M12も低いですが、Bloodthirstのメカニズムが最終的な平均パワーを押し上げます。AVRの平均パワーは一番高く、これにMist Ravenのようなテンポアド、Kruin Striker/Thatcher Revoltのようなパワーを上げるシナジーを考慮するととんでもない事になりますね。パワーが高いクリーチャーはブロックしづらいため環境をよりアグレッシブにしますが、この点においてM13は他のセットに劣っています。

タフネスではM13は下から2番目ですが、その他の数値と比べて差はそれほど多くありません。一番重要な数値はP/T差異で、M13はここで一番低い値を出しています。速い両セット(M12/AVR)は差異がゼロに近い、またはそれ以上となっています。
この数値はとても大事で、クリーチャーが相手のクリーチャーへアタックしに行けるかの指標となります。M13では相手クリーチャーのタフネスが自分のクリーチャーのパワーより高いケースが多く、環境を遅くする要因となります。
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ご無沙汰してます。
DEスケジュールの改訂があってから、Pauperがめっきり減ってMOでやる事があまり無くなってしまいました。ドラフトはたまにあるキューブをやれば充分かなぁと。

チケまとめも先月末からSharpbotの価格表が更新されないままになっていて、手をつけていません。更新がまた始まれば再開したいですね。

ForsytheのAMAその2です。これで半分ぐらい翻訳が終わった感じです。

追記:
とうとうMagic Online 10th Anniversary Celebrationの詳細が発表されました。毎年毎年がっかりなイベントばかりだったのですが、今回はIPAドラフトがあるという事なのでかなり楽しみです。

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Q:
A)レガシーとヴィンテージが将来途絶えないようにするためにWotCはどんな事を考えていますか?

B)再録禁止リストは巧妙な偽造カードの大量流通に繋がると思いますか?

C)WotCの役員は今後再録禁止リストを変更しないという決定をした事は良く知られています。決定を覆すために私達プレイヤーが出来ることは何ですか?

A:
A)二つあります。まず、今と同等のレベルでサポートを続けていくこと。そうすればいずれ新しいカードが多く入ったデッキ(例:親和)が台頭してプレー人口が増えるでしょう。二つ目はMOです。MOでは何を印刷しても良いので、いずれヴィンテージとレガシーが栄えると思います。
B) 繋がらなければ良いですね。
C)特に何も出来ないですよ。誰かの声が大きかったから決まったという事では無いので。WotCは昔交わした約束を(それが嫌だったとしても)守らなくてはならないのです。要望があるのは知ってますが、受け入れることは出来ませんね。


Q:プレインズウォーカーはマジックに良い影響を与えたと思いますか?ゲームプレイをより面白くしたと思いますか?

A:もちろん。ゲーム中の選択試を増やす事によって上級者達の満足度をあげてますし、プレインズウォーカーの存在感はカジュアル層にもアピールしていると思います。
全てのプレインズウォーカーを正しくデザインしたとは言い難いですし、(歴史上他のカードタイプでもそうであったように)いくつかはかなり壊れていますが、プレインズウォーカー達がマジックにもたらしたものについてはとても満足しています。


Q:マジック史上、最大のデザインミスは何だと思いますか?
A:うーん、難しいですね。多分ウルザブロックじゃないでしょうか。フリースペルのメカニックはダメでしたね。
次点でストームかコールドスナップですかね。何とかやり過ごせて良かったです。


Q:今まで作った中で、構築で絶対に使われないと思っていたカードは何ですか?

A:最近のケースではSplinter Twinでしたね。完全にウチの責任でしたよ。基本的にこういったケースは好ましくないです。Delver of SecretsやMidnight Haunting、Runechanter’s Pikeとかはさっきもあげましたけど、Splinter Twin程のインパクトはありませんでした。

→Q:じゃあStoneforge(石鍛冶)はどうなの?剣とBatterskull作る時にちゃんと考えました?
→A:正直に言うとStoneforge Mysticが更に強くなる事を承知でBatterskullをセットに含めました。その時点で既にフォーマットを壊すぐらい石鍛冶が強かったことに気づかなかったのはミスでしたね。


Q:モダン「促進用」の製品が企画にあがったことはありますか?新規参入したプレイヤーのためにショックランドやタルモのような定番カードが入った製品の販売とか。

A:ええ、議題に上がった事はありますよ。いくつかのカードはもう少し入手しやすくしたいですね。現時点では何も発表することは出来ないですが、モダン需要は認識してます。


Q:サブタイプがFortification(城砦)のカードを印刷する予定はありますか?
A:ありません
Q:詳しく説明してもらえますか?装備品は失敗だったということですか?私はそうは思いません。装備品について説明不足では?
A:装備品はどのクリーチャーにつけるか大事という所が面白いと思っています。例えばInvisible StalkerにButcher’s Cleaverを装備させる事はIronroot TreefolkやWall of AirにButcher’s Cleaverを装備させるのと意味合いが違います。
Fortification(城砦)はどの土地につけようが関係無かったし、付け直す意味もあまり無かったです。土地は土地なので、何に付けても影響は特に無かったですし。


Q:神話レアはこのままですか?マジックに良い影響を与えたと思いますか?
A:もちろん。神話があるとブースターを剥くときよりドキドキしますし、レア(特にデュアルランド)がエキスパンションを引っ張る事が無くなりました。皆が欲しがるカードが島と沼の組み合わせじゃなくて、カッコいいスペルやプレインズウォーカーになって良かったですよホント。


Q1:モダンとレガシーについて-WotCとしては「中古価格は認識していません」と「マジックは投資ではありません」とか発表していて、私もそのポリシーに対して特に反対するつもりはありません。でも実際やってる事はそれに反してますよね?なぜモダンのカードを構築済みデッキで刷ろうとしないのですか?PTQのフォーマットを作っておきながらカードの供給を絞るのはどうなんでしょう。

Q2:つい最近新しいランキングシステムを発表したみたいですけど、システム自体は不公平でランクアップ後もずっとそのまま同じランクなんですよね?RPGとかだとレベル上がったときご褒美もらえるんですけど。極少数のプレイヤーはMPRに参加してますけど、私は周りの人にアークメイジですって言いふらすのはちょっとアホくさいと思ってるので。このシステムってPWPでプレミアイベントの参加権を狙ってる人以外にとってメリットあるんですか?それともレベルと名称だけ?

A1:マジックはトレーディングゲームです。ウェブサイトでは「マジックはゲームとコレクションの両面で魅力的なTCGです」と明記されてます。これはつまり、熟考の末カードを再録しなくてはならない事を意味しています。再録する時期と私達が判断した時にそれらのカードを印刷するということです。モダン需要は認識しているので、辛抱強くお願いします。残された時間はそう短くないわけですからね。

A2:新しいシステムはもうちょっと改善する必要がありますし、改善を予定してます。いくつかの「ご褒美」を検討しているので、今年の後半にはPWPに関する変更を発表出来ると思います。
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WotC開発部のAaron Forsythe(元プロプレイヤー)が先月Redditで皆からの質問に答えていました。開発の生の声、しかもForsytheぐらい率直な意見を読める機会は中々無いので非常に興味深く読ませてもらいました。
長いのでちょこちょこはしょりながら訳します。

追記:ごめんなさい!原文のリンクを忘れてました!こちらです:
http://www.reddit.com/r/magicTCG/comments/qlrhn/ama_with_aaron_forsythe_of_wizards_of_the_coast/?sort=confidence

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WotCの開発部でシニアディレクターをやっているAaron Forsytheです。私の部署ではカードのデザインや編集、それにDotPのようなデジタル版のマジックの開発に携わっています。私自身は1994年からマジックをやってます。何でも聞いてくださいね。


Q:つい最近フィンケルが「MTGはその昔小さなアドバンテージを積み重ねていって勝利するゲームだったけど、PWや高性能なクリーチャーのせいで誰でも3~4ターン目に対処出来なければそのまま勝てるスペルを唱えたり、それまでの展開を全てひっくり返すような6マナのクリーチャーを召還出来てしまう」「皆が強カードを叩きつけるだけになって、考える事や微妙なニュアンスがゲームから無くなっている」と言っていて、私も同意します。

スタンのパワーレベルを下げて、昔のようにプレイヤーのコミュニケーションが多かった時代のマジックに戻すつもりはありませんか?

A:ああ、はいはい。Phyrexian Colossusを2ターン目にTinkerで出して世界チャンピオンになったみたいな、昔の微妙なニュアンスのプレイングの事ですかね。昔から良く出る話ですよ。ランダム性が強くなるからリミテッドはレア抜きでやるべきだってBen Rubinが10年前ぐらいに私に言ったことを思い出します。一流プレイヤーはプレイングで勝つためにパワーレベルを抑えて欲しがるので。まあ、理解出来ます。大多数の人は、プレイングで負けていても勝つチャンスを与えてくれるようなカードを好みますよ。

「人気が出る前の頃のように、どこそこを戻せ」って言うのはカッコいいですけど、ビジネスの観点からすると何の利点も無いし、今のような状況にした事に対して私は何も妥協したつもりは無いですよ。マジックはまだめちゃくちゃ面白いです。私自身仕事終わったら週何回かMTGOで遊んでますし。プレイヤーの数は過去最高。フィンケルも沢山プレーしてます。マジックはまだプレイングが非常に大切です。ここでもまたフィンケルを例に出しますけど、彼はPTフィラデルフィアで420人中15位、PTホノルルで446人中3位、GPシアトルで1159人中20位でした。LSVやPVは信じられない頻度でプレミアイベントのトップ8に残り続けてます。今のマジックにランダム性が増したとはいい難いです。

今のマジックの状態は、あなたがマジックを始めた頃思ったことに近いです。あなたの時代のようにCraw Wurmが最強ではないですけど、似たようなカードはそうなりました(Primeval Titan)。今は(Baneslayer AngerやPlaneswalkersのような)プレイヤーが直感的に惹かれるカードが強いのです。昔みたいにWinter OrbやCapsizeのようなダルいカードでも無いし、NecropotenceやBalanceみたいな馬鹿げたカードでも無い。

フィンケルはホノルルの準決勝第5ゲームで1回計算を間違えて負けました。それ以上何を望みますかね?素晴らしい「マジック」の試合だったじゃないですか!


Q:
A) デルバーについて満足してますか?つまり、全フォーマットでの人気と強さ。それからスタンを一時的に席巻したことです。

B)スタンで予想外に活躍している・していないカードは何ですか?

C)Mindless Nullのような無価値で無背景なカードを印刷する意図は何ですか?そもそも何で存在しているんですか?

D)開発部ではセットの開発中にどれぐらいヴィンテージのような他のフォーマットへの影響を考慮しますか?内部で「エターナルでSlash Pantherは激強だぜ!」とか言ってました?

E)最後に、アグロ、中速、コントロール、コンボをプレイヤーとデザイナーの視点から見た感想を教えてください

A:
A)あまり満足してないですね。プレイテストはしたのですが、こういったカードはカードタイプの割合が完璧なデッキじゃないと弱いので予想出来ませんでした。Midnight Hauntingは構築級で無いと思い込んでいたのも一因でしょうね。予想以上に強いカードではありますが、何らかのアクションを起こすほど強くないとは思ってます。

B)今言ったようにMidnight Haunting。それからRunechanter’s Pikeですね。Pikeもまた専用のデッキが必要なカードです。もっと強いと思っていたカードはFalkenrath Aristocratです。トークンやTragic Slipがある環境ではあんまり強くありませんね。

C)いくつかのカードは「会話のきっかけ」として作ってあります。たまに印刷するにとどめて置けば、Chimney ImpやMindless Nullみたいなカードにぶつくさ文句言うのは楽しいと思ってます。あと、Mindless NullはたまにZENのデッキに入ってたし、完全に失敗ってわけじゃなかったですよね!

D)あまり。Lodestone Golemのようにヴィンテージを考慮してたまに作ったりもしますが、Slash Pantherみたいなカードは全く予想出来ませんね。Slash PantherはファイレクシアのLightning Elementalにしたつもりだったんです。

E)プレイヤーとしてはコントロール以外全て好きです。自分からアクションを起こすのが好きですからね。デザイナーとしては想像力をそそられるジョニー用のコンボカードやミッドレンジのクリーチャーが好きです


Q:ヴィンテージをMOに導入する計画はありますか?このフォーマットが大好きなので、より多くのプレイヤーがプレーして欲しいです。

A:これはウチでも頻繁に話題にのぼってますよ。いずれ導入する事は間違いありませんが、今のところ何も計画してませんね。


Q:今の役職になってから一番難しかった決断は何ですか?マジックのブランド戦略やデザインその他について寝れないぐらい考えた選択はありましたか?

A:M10のルール変更は結構寝られなかったです。内部でいくつかのルールについてかなり熱い議論がありました。
もう一つはクリーチャータイプの見直しです。オラクル変更とかなり噛み合わなかったのですが、あまりに一貫性がなかったので何かしらのアクションを取る必要があったんです。
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結構長いので一旦区切ってまた来週いくつか載せます。
需要があれば毎週少しずつ訳しますかね。
Channel LSV: 3 INN Draft #1
http://www.channelfireball.com/articles/channel-lsv-3-inn-draft-1/

LSVがISDのドラフト動画をあげたので、簡単に訳してみました。動画見ながら読んでください。時間は若干ずれてる事があります。
試合は、、需要があれば訳すかも。

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Drafting Part 1

P1

0:13 P1P1 簡単、《悪鬼の狩人/Fiend Hunter》が一番良いカード。他の3枚が緑白なのがちょっとイヤだけどまあ仕方が無い

0:40 P1P2 ゴミパック。《燃え投げの小悪魔/Pitchburn Devils》は良いけど赤白には行きたくないから《月鷺/Moon Heron》かな。

1:20 P1P3 P2で《燃え投げの小悪魔/Pitchburn Devils》取ってれば《地獄の口の中/Into the Maw of Hell》取れてたんだけどね。青いカード取ってたので《閉所恐怖症/Claustrophobia》。赤と青が空いてそう。

1:40 P1P4 これは良いパックだ。白の生物2枚と《甲冑のスカーブ/Armored Skaab》もあるけど、この時点で白の良クリーチャーが2枚来るということはこの後も白が流れてくるはず。《甲冑のスカーブ/Armored Skaab》は青白だとそんなに強くないので、《猛火の松明/Blazing Torch》で選択肢を広く持つ

2:24 P1P5 良い流れ。《大物潰し/Smite the Monstrous》か《声無き霊魂/Voiceless Spirit》かな(《セルホフの密教信者/Selhoff Occultist》は青白アグロに入らないし、《穿孔の刃/Trepanation Blade》はゴミ)。現時点で除去は結構取れてるので、《声無き霊魂/Voiceless Spirit》。

3:10 P1P6 他に候補がないので《勇壮の時/Moment of Heroism》。

3:25 P1P7 これも簡単。《静かな旅立ち/Silent Departure》。スペル過多になるのでP5で《大物潰し/Smite the Monstrous》取らなくて良かった。《戦慄の感覚/Feeling of Dread》も良いけど、《静かな旅立ち/Silent Departure》の方が強いね

3:40 P1P8 《礼儀正しい識者/Civilized Scholar》がP8!?このカードはコモンのどれよりも強いと思ってる。パックがめちゃくちゃ強かったか、青がガラ空きかのどちらかだろう。

4:03 P1P9 《村の鐘鳴らし/Village Bell-Ringer》。まあ《礼儀正しい識者/Civilized Scholar》とのシナジーもある。とはいえ2マナのカードが欲しいね

4:13 P1P10~P15 適当に青絞って終了。カットするよりも絞ってシグナル送りたい。

P1 アグロにもコントロールにも寄ってない感じ。

P2

5:15 P2P1 《血の贈与の悪魔/Bloodgift Demon》はかなり強いレアだ。《信仰の縛め/Bonds of Faith》とかあればそちらを優先してたけど、他に大して強いカードも無い。

6:05 P2P2 丁度《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》が取れたよ!青白アグロに《物騒な群衆/Unruly Mob》はしょぼいしね。

6:15P2P3 うん、青白に戻った方が良いね。《絞首台の守部/Gallows Warden》と《深夜の出没/Midnight Haunting》のどちらかだけど、まあ《深夜の出没/Midnight Haunting》だ。

6:47 P2P4 ここが本当の分岐点だ。《夜の犠牲/Victim of Night》で青黒か、《霊廟の護衛/Mausoleum Guard》で青白だ。取れてる白で強いのは《悪鬼の狩人/Fiend Hunter》と《深夜の出没/Midnight Haunting》ぐらいで、《血の贈与の悪魔/Bloodgift Demon》と《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》には負けると思う。《夜の犠牲/Victim of Night》取って青黒に行く。

7:15 P2P5 《死体の突進/Corpse Lunge》だね。ちょっとクリーチャー足りないけど

7:30 P2P6 《セルホフの密教信者/Selhoff Occultist》は自分のライブラリー削るデッキには丁度良い。壁になるしね

7:47P2P7 青があまり流れてこないけど、P3の返しには期待出きるはず。《熟慮/Think Twice》取る

8:05 P2P8 《月鷺/Moon Heron》。もうここで白は隠してく。単純に青黒のほうがカードパワーが高い

8:17 P2P9 以降は適当にカット

P2 ふらついたけど《血の贈与の悪魔/Bloodgift Demon》や《夜の犠牲/Victim of Night》取れてるし、青黒の方が強いだろう。P3では良いクリーチャーが取れるといいね


Drafting Part 2

P3

0:05 P3P1 まあ物凄く強いパックでは無いけど《霊捕らえの装置/Geistcatcher’s Rig》は良いカードだ。

0:20 P3P2 《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》。2枚取れたのは嬉しいし、墓地活用が楽になる。

0:40 P3P3 《スカーブの大巨人/Skaab Goliath》が良い感じで回ってきた。墓地にカード落とす手段は沢山あるしね

1:00 P3P4 《静かな旅立ち/Silent Departure》も良いんだけど、《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》試してみたい。自分のライブラリーを空にする手段はあるといえばあるし、とりあえずこいつを一度は使わないとね。

1:28 P3P5 《燃え立つ復讐/Burning Vengeance》使うにはFBのスペルが足りないね。《荘園の骸骨/Manor Skeleton》で。

1:46 P3P6 ゴミパック。仕方無いので《流城の巡回兵/Stromkirk Patrol》。

1:56 P3P7 秒でルーター取る。みんなこいつ嫌いなの?

2:02 P3P8 取るもの無いね

2:19 P3P9 《縫い師の見習い/Stitcher’s Apprentice》好きだけど、このデッキには入らない

2:28 P3P10 以降は適当にカット


デッキ構築 

とりあえず22枚プレー出来そうなカードが揃った。

スペルが7枚なので《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》は使えないかも。《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》下げて《感覚の剥奪/Sensory Deprivation》入れる。白タッチするか、、、でも白で一番強いカードはダブルシンボルだしやめておこう。ここで1枚減らして《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》と《恐るべき妄想/Frightful Delusion》を入れるか、《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy》2枚を信じて土地18枚にするか。それとも《夢のよじれ/Dream Twist》入れて《死体の突進/Corpse Lunge》や《スカーブの大巨人/Skaab Goliath》、《研究室の偏執狂/Laboratory Maniac》とのシナジーに賭けようかな。

いや、やっぱり土地18枚目が正解だな。うーん、青白が良かったかもしれないけど、まあどちらにしろ大差ないかな。
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Mike Floresが一昨年マリガンについて自身のブログで書いていたのでいくつかのコメントと併せてざっくり翻訳しました。
FloresはRhetorical Queshtionが多いので訳すのが面倒なんですけど、LSVやPVに比べて読んでてとても楽しいですね。

元記事:
http://fivewithflores.com/2009/01/the-hidden-value-of-mtgo-ringers/

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The Hidden Value of MTGO Ringers
24-Jan-09

Adam Yurchickがトリマリして勝ったからって何の関係があるのでしょう?良いお話以上の価値があると思いますよ!

この前Asher "ManningBot" Hechtと一緒に食事をした際、とても興味深い話をしました。彼によると、Adam Yurchick(GPフィラデルフィアにU/WトロンでTop8)がGPの最終ラウンドでトリマリした後勝ったそうです。

ふーん、凄いですね。
凄い逸話、じゃないですか?
でも、それだけじゃないんです。

Asherは「これがMTGO熟練者の見分け方だよ」「マリガンのタイミングをわかってる」と続けました。

うん。まあ、これは一部の人にアピールする金言として捕らえるべきでしょうか。一部(MTGO熟練者達、または目指している人)の人にとってこれは真実で、素晴らしい名言だと考えてるかもしれませんよ!

それではとりあえず、真実と仮定して話を進めましょうか。
これには何の意味があるのでしょう?

私自身MTGOに結構な時間を費やしています…以前は8人構築に没頭してました。まあ今年に入ってから3時間もまとまった時間は取れ無いため、大体Tournament Practiceでしか遊んでいません。

私にとって今とMTGO熟練者だった頃の昔との最大の違いは、どんなプレイングをしたとしても、(金銭的に)何も賭かっていない事です。新しいデッキのアイデアを試す方がMTGOの大会を勝つ事よりも優先順位が高いため、ほとんどマリガンする事もありません。でも、大会に積極的に参加しつつ成績やレーティングを事細かに記録するようになると、賭けている物はより多くなります。
賭かっている物がより大きいという事は、アイデアを試すことより試合に勝つ方が大事ですから、マリガンをもっと真剣に考えることに繋がります。大会はTournament Practice等とは全く違うものですし、試合を真剣に勝ちに行く事を反復すると、それはいずれ(ここではマリガンに対しての)習慣になります。

それを踏まえて、Adamのトリマリの例に戻りましょう。
何の意味があるのでしょう?

Asherによると「(Adamは)勝つ見込みの無い5枚の手札はキープしなかった」と。

非常に興味深いです。
まあ実際はただの算数ですが。

大会中に極度の精神状態にいる最中では、算数を考えてる暇が無いかもしれませんから、ひょっとしたら大事なことかもしれません。例として私がSCGの$5000大会に出て、算数が大事だったときの手札を思い出してみます。その大会で優勝したプレイヤーと対戦した際、私は最終的に相手のトップデッキで敗北したのですが、デッキの相性自体は最悪でした。私はその時何を考えていたのでしょうか?

どうせ負けそうだし。キープしよ

うーん、まあキープするしかないかな

ひょっとしたらこの後、良いカード引くかも

まあこんな感じでしょうね

もし、私が今その場に戻って自分と話す事が出来たならば、その時キープした(動けるカードが少ない)手札で勝つ可能性が更に低かった事に気付いたかもしれません。勝っていればTop8にも入って、優勝の可能性だってありました。

既に勝利を諦めていたのです。
だったらマリガンしたからって、何を失うのでしょうか?

もし既に勝負を捨てて(もしくはそれに等しいような、奇跡的なトップデッキの連発を神に祈って)いたならば、マリガンして手札を1枚減らした所で全然痛くないですよね?どうせ減った1枚は大した価値も無かったのですから。

これ以上気分を悪くしない(少なくとも私は)ためにこれらの状況でマリガンしないのでしょうかね。他にどんな理由があるか私にはわかりませんし、死に急いでいるだけに見えますね。
既に勝つ見込みがほぼゼロの土地1枚とスペル5枚の手札を”悪化”させたく無いと。でも今ある手札の勝つ見込みゼロより悪化ってどういうことでしょうか?

ほら、声に出して読み上げるとちょっと間抜けに聞こえますよね?
Adamの話が本当かどうかわかりません。でも、話の真偽に関わらずこの事を自分の今後のマリガンへの教訓にしようと思っています。

そして、読者もここから何かしらのヒントを得て欲しいですね。
Mike

Gerry Thompsonのコメント

私は一般的に開始時の手札を見て、この手札でゲームに勝てるか自問します。その次に、その7枚と次のランダムな6枚とどちらが勝つ可能性があるか自問します。大差無さそうであれば、マリガン後にその7枚になったとして自分が満足出来るか自問しますね。
もし状況が悪い時にタイトなプレイングをする気が無ければ、才能が無いのと同じです。私は自分がプレーするマジックのゲーム全てに勝ちたいので、いつもタイトにプレーするようにして、悪い習慣を付けない様にしてます。
Michael Jacobの悪口を言うつもりは無いですが、彼は相性の悪いデッキとのプレイテスト中、試合を投げ出すような事をして、それがテストの結果にどんな影響を及ぼすか気にしていません。それは間違いです。常に真剣にやらないとダメですね。

masonのコメント
”これ以上気分を悪くしない~”の下りは同意するし、核心をついてますね。
感情と算数は切り分けて考えないといけないです。勝つ可能性だけを考えいれば、勝てないダブマリをキープする事は無くなると思います。
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最近MTGO界隈で評判のMTGstats.com。
ググってみたら開発者のインタビューがあったので(http://thestarkingtonpost.com/articles/_/1846)、ざっくり訳しました。
どこかで聞いたことがあると思ったら、ペンティーノさんのカバレージ翻訳で出てきたことある人でした。この調子でどんどんサイトを改善して欲しいですねー。


Intense MTGO Scrutiny on MTGStats
by Bill Stark


マジックの統計が最近熱いです。MTGOのニュースレターに興味深いデータが記載され始めましたし、公式ウェブサイトで自分の通算W/L%もトラッキングできます。そして、ついに(WotC運営ではない)MO史上最も詳細な統計結果を提供するウェブサイトが現れました。
MTGStats.comは比較的新しいサイトですが、既にChannelFireballのLSVをはじめとするMTGOコミュニティーから高い評価を受けています。
いかにしてMTGStats.comを立ち上げたのかサイトの管理者であるErik Landrizにインタビューしました:


マジックの経歴を含めた自己紹介をお願いします

マジックはアルファから始めました。1996シーズンから(通算でPTQを8度勝ったおかけで)散発的にプロツアーにも出場していました。プロツアーではマネーフィニッシュ数回と、GP2日目に何度か進んだことがあります。旧ミラディンブロックからは仕事を優先して大会には出ておらず、ほぼMOのみプレーしていました。
ここ最近ミラディン(の傷跡)が戻ってくると聞いてからはリミテッドのPTQへの準備を始め、手始めにルイジアナでTop8に入り、次のミシシッピで勝ちました。その後あったGPナッシュビルでは11-0した時にあなたがカバレージ書いてくれましたよね!

http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/eventcoverage/gpnas10/day2coverage#1


実を言うと、以前WotCのネット関係の部署と面接をしたことがあったのですが、残念ながら選考されませんでした。面接では彼らの公式サイトでどんな事を出来るかということを聞かれ、今現在Mtgstats.comにある機能はそこで提案したものがベースになっています。
とはいえ当時(そして今でも)はMOの不安定さが問題になっており、彼らとしては不安定さを助長するようなことは避けたかったのでしょうね。

それから更に2年前WotCがMO3.0を企画していた際、リーグ(未だ実装されていませんが)の設計文章を手がけたことがあり、その中でプレイヤー統計の機能を提案しました。
あるプレイヤーをクリックするだけで彼の成績に関わる野球カードのような統計データを見られるようにしたかったのです。様々なデータに加えトロフィー陳列棚のように、どのような大会に勝ったか等が見られるようにしてはどうかと提案しました。


MTGstatsはどのように立ち上げたのでしょうか?

一番最初にWotCがPlayer Rewardsのメールで統計データ(8-4ドラフトの3-0デッキで一番ピックされたカードだったと思います)を送って来た際、とても興奮した事を覚えています。
そこには非常に興味深いカードが入っていました。Malakir Blooditch!?レアがリストに入ってたんですよ?びっくりしましたね。統計による”ゼンディカーのベストファーストピック”への決定的な解答でした。

最初にWotCのトーナメントリストを発見したのはいつかは覚えていませんが、すぐにかなりの可能性を秘めていると感じました。そこにはWotCが集計せずに放置されているデータがありえないぐらいあったのです。
当時私は友人達にこのデータ群を数時間で纏められるよと吹聴しましたよ。実際にデータベースの基幹部分を設計した際には数時間しかかりませんでしたし(もちろんいくつかバグはありましたが)。
ちょっとWotCのサイトを調べてみたところWotCが集計を始めた頃から(2009年10月~)のデータも閲覧出来るようだったので、全て取り込みました。

その後仕事が忙しくなってプロジェクトを放置していましたが、PTパリに参加する事になった後メタゲームを分析したくなり、GPナッシュビルの前に数日かけてバグをとり、アーキタイプのコンセプトを実装しました。

ウェブサイトに関してはその後の話ですね。データベースを自分で弄るのは楽しかったのですが、友人をはじめ他にもこのデータを公開しようと思いました。自分がどのようなデータを見たいかはわかっていたのですが、友人からも沢山の良いアイデアをもらいましたね。
最終的に年末年始の休暇中、ウェブサイトの大部分を書き上げました。ここ数週間は時間がある時に(円グラフなどの)機能を追加してましたね。そして、先週末エクステンデッドのプレイテスト中にドメインを取得してサーバーのスペースをレンタルしました。
細かい部分を修正して、グラフを追加し、”About”のページを書き足してから外部に公開する許可を友人達へ出しました。昨夜LSVがFacebookでウェブサイトについて投稿した後は、危うくサーバーがダウンする所でしたよ!
LSV前と後のタスクマネージャーを写した面白いスクリーンショットを持ってますよ。今のところ安定しているようですが、このアクセス数が続くようであればサーバーやコーディングをアップデートしないといけないでしょうね。


ウェブサイトの長期的な目標は何ですか?

私の究極の夢はデータを最大限活用するためにWotCで働くことです。このウェブサイトは、WotCが持っているポテンシャルを端的に表わしていると思います。。何を言いたいかというと、もし自分が片手間でこれだけのサイトを作れるのであれば
全ての生データへのアクセス権持った上でフルタイムで時間をつぎ込めば物凄い事が出来ると思いませんか??ESPNのように、底なしの井戸を掘るようなデータ統計をWotCも持つことが出来るかもしれないのです。

http://espn.go.com/mlb/players/bvsp?playerId=3747&teamId=2


短期的な目標はマジックのデータ好きなプレイヤー達のためにウェブサイトを改善していくつもりです。興味をひくだけのデータではなく、実用的な機能を実装していきたいですね。現在実装されている下記のような機能の事です:

メタゲームに対してどのように準備すれば良いか知りたい?→ウェブサイトへアクセスしましょう!

MOの試合前に対戦相手の名前をサイトで検索して、彼の好きなデッキ、成績、サイドに何が入ってるか調べましょう!

ジャンドのサイドのアイデアを探したければジャンドのアーキタイプを検索してどのようなカードがサイドに入っていて、何が勝ち組調べましょう!

新しいデッキのアイデアを探しているのであれば、ローグデッキリストを漁りましょう!

空き時間がある時に追加したい機能のアイデアは山ほどあります。PTパリの準備があるので少し優先度は下がってしまいますが。”About"のページに今後の予定を更新していくつもりです。



MOにどれぐらい時間を費やしますか?

結構時間を使ってますね。Leaping Lizards時代のベータテスターもやってましたし、Hall of Championsに名前を連ねてましたよ。今は仕事が忙しいので、空き時間にマジックと触れるためのツールとしてMOは最適ですね。

皆さん、良いテゼレット引けましたか?!!!
僕は昨日のMMMで早速引きました。ただ、シールドをまた寝落ちしたので、とんとんでした。やった!
ただ、テゼレット引くぐらいなら、同じ確率なんだからZZWのジェイスを引かせろよ、とか思ってしまいます。

…話が反れました。今回は資産管理のお話です。

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今回はMOでInfiniteを目指すにあたってとても大事な概念です:バンクロール管理と、資金内でのプレイ。
つい最近100ドルを課金したのに数週間後きれいさっぱり無くなってませんか?自分のコレクションが減ってきていませんか?もしかするとそれは資金の制約以上にチケットを使っているからかもしれません。

バンクロール管理:

バンクロール管理はポーカーをやる人なら大抵知っていますが、MOをやっている人にはあまり馴染みの無い単語かもしれません。バンクロール管理とは、負けが続いた場合を想定して、自分の資産が許容出来る範囲以上のイベントに参加しない事を指します。まずいバンクロール管理はあなたをすぐ破産(課金)に追い込むでしょう。例えば、”ジム”が100チケとわずかなカードといくつかのドラフトセットしか持っていない場合、ジムが参加費24チケのシールドを2面打ちするのはお勧めできません。もし彼が調子悪ければあっという間にチケットを全て失うことでしょう。

また、友人にHyphon(仮名)という奴がいます。Hyphoneはレーティング+1800プレイヤーです。が、彼は同時に破産寸前の+1800プレイヤーでもあります。なぜでしょうか?Hyphonはバンクロール管理をまるで気にしない奴だからです。HyphonがForce of Willを引いたとき、彼はその場で30チケのPTQにジョインしたばかりか、彼の二人の友人分の参加費も払ってやったのです。ええと、こいつはついさっきForce of Willを引いたんですよね?3ラウンド後、彼のFoWは朝露のように消え去りました。まあ参加費は貸していることになっているので、これは極端に悪いバンクロール管理の例といえるでしょう。現在Hyphonはオリジナルのエクテンデッキを使ってDEで稼ぎ始めましたし、奴が次に引いた賞金首(ジェイス)はちゃんとした投資に使われました。

それではその他のまずいバンクロール管理の例を見ていきましょう。

1)高すぎるデッキを作る

もしあなたが自慢のクレジットカードを取り出して流行のデッキを作るつもりならこの記事を読む必要はありません。この記事はMOで課金したくないけれども、ほとんどの構築大会に参加したい人を想定しています。

MOプレイヤーにとってありがちな失敗は、高すぎる(バンクロールが許容できない)デッキを作ってしまい、そのデッキを使うための資産を無くしてしまうことです。更に悪いことに、デッキは使い終わった際に値下がりした価格で売らなければいけないため、この問題はより深刻なものとなります。この例では、彼は200チケ使って作成したデッキを170チケで売ってしまいました。ひどいですね。

それでは現スタン環境を例に説明しましょう。

あなたはスタンダードに参加するため200チケット持っています。まだどのデッキをプレーするか決めていませんが、当然良い成績を残して儲けたいと思っています。また、弱いデッキやカードを使う事によって不利になりたくないと考えています。残念ながら、あなたがデッキリストを見渡すと、どのデッキもジェイスや、緑タイタン、コブラが入っていて、これらのカードが無ければ勝てないと考え始めます。最終的にヴァラクートを使う事にしたあなたは早速緑タイタン4枚を160チケで購入します。そして、気がついたら1枚挿しのRaging Ravineを買うためにコモン500枚を1チケでBotに売り払っているのです。

さて、いよいよデッキが出来たので大会に参加できます!…が、残念ながらあなたの手元には2構築に参加するだけのチケットしか残っていませんでした。もうこうなってしまっては課金するか、バンクロール管理を怠ったためデッキを売るかしかありません。更に悪いことに、新しいデッキは慣れるまで時間がかかります。そして、勉強中には様々な問題や損失が発生し、メタに対応するためにデッキリストをチューニングする必要があります。これらの問題は全てチケットを必要とします。あなたはどうすべきだったでしょうか?そうです、もう少しメタゲームを勉強して安くて強いデッキを作るべきだったのです(例:白単アーマーやヴァンパイア)。

私個人はジェイス抜きの青白コンを使っていて、良い成績を残しています。なぜかって?ジェイスを含んだデッキを使うには600チケ以上のバンクロールが必要だからです。更に、今年中にジェイスが価値を下げる可能性は非常に高く、誰もそれがいつ始まるかわからないからです。皆自分の万札があっという間に半分の価値しか無くなるのを見たくは無いと思いますが、私はその頃釣りにでも出かけてますからあまり気に留めていません。

結論:バンクロールの許容範囲でデッキを作れ―ただし、事前のリサーチが必要


2) MOPTQはほぼ全てのバンクロール管理外

オンラインのPTQは詐欺みたいなものです。私自身は紙MTGをするつもりはありません。もう歳を取りすぎましたし、うるさくて臭いイベントセンターはもう真っ平です。ですが、まだ野望があるプレイヤー達にとってはMOPTQは既に参加した、もしくは参加を考えているイベントだと思います。

まず最初に、MOPTQはInfiniteには向いていません。このイベントは参加費が高く、そして賞品は低く、成功する可能性はかなり低いです。なぜならMOPTQは基本的にFNM並みの賞品を支払うGPだからです。全く持って酷い冗談ですよ。30チケでシールドのPTQ…?つまり30チケ払ってSOM6パックをゲットして、しょぼい賞品を受け入れろと?(4-3-2-2の賞品割に文句を言ってる奴はPTQを見てみると良いでしょう)。500人以上のライバルと9~10ラウンドと丸一日を費やして、たったの1回しか負けられないのです。これはかなりの四面楚歌じゃないでしょうか?

30チケのシールドに継続して参加出来るぐらいの資産を持っている人は多くありません。大体が30チケ使って大した成績を残せず、大したレアも引けず、受け取る賞品も少なく、結果的に資産は目減りします。もし、1シーズンに4~5回PTQ参加を考えているのであれば、120~150チケを低リターン(大体50チケ以下)に費やすことになり、資産はあっという間に減っていくでしょう。もしそれでもPTQに参加したいのであれば、これは純粋なコストとして考え、Infiniteの戦略から外すようにしましょう。リアルPTQから騒音と臭いを除いたものとして捉えるのです。

結論:MOPTQはほぼ全員のバンクロールにとって高すぎる


3)Gold構築キュー

Gold構築キューもまたバンクロール管理外のイベントかもしれません。これは10チケする2構であり、相性差、ミスプレイ、単純に運が悪かったりして連敗すると、チケットがすばやく蒸発していく様を見れるでしょう。実際、1時間ちょっとで50~60チケットを失うことができます。このような波を吸収するには大体300~400チケのバンクロールが必要です。もしあなたのバンクロールがこれ以下であれば、破産は目の前です。

ヒント:ゴールド構築キューや、それ以外の高い参加費を要求するイベントはハイリスクであり、潤沢な資産によるバックアップが必要


4)MTGOから現金化

定期的にMOの資産から現金化している人(少ない割合とは思いますが)は現金化し過ぎないようにしましょう。これについてアドバイスする事は難しいですが、自分の資産や運用癖を良く把握した上で現金化する額を決めてください。少なめに現金化するのが常に最良です。この項目は既に定常的に儲けている人に向けたものなのでこれ以上は深くは書きませんが、MOから現金化する場合、大体1チケあたり90~97セントで取引できます。


5)現物化

私は11月にMOへ復帰して以来現物化はしたことがありませんし、紙MTGをやるつもりも無いです。現物化したカードを売りさばくことによって利益を得る事は可能です。ただ、このやり方はかなり面倒くさく、時間を使います。ただ、現物化での利益自体はここで書きたいことではありません。バンクロール管理の観点から言って、過剰な現物化はバンクロールを縮小させ、将来的な収益(や現物化)に影響を与えます。資産が資産を生み出します。オンラインにより多くの資産があれば、より多く利益を上げることが可能です。現物化は現金化とさほど違いはありませんが、最低限の資産の線引きはするようにしましょう。


その他のバンクロール管理についてのヒント:

1)価値の上がりそうなカードや将来自分のデッキで必要なカードに少しずつ投資しましょう。将来的に構築する際に初期投資のコストを抑えてくれます。これは次回以降予定している構築や投資のシリーズでまたカバーします。

2)自分のコレクションを管理して自分のバンクロールを把握しましょう!これは資産管理のシリーズでまたカバーしますが、自分が今どこに位置しているのか把握するために、資産を整理整頓する事は非常に大事です。私は複数のアカウントを使ってトレード用や保管用のカードを整理しています。方法は何でもいいですが、何かするべきです。友人に何も売らないし何も整理せずに、チケが足りなくなったらそのまま課金する奴がいます。これは私から見れば只の面倒くさがり屋です。

3) 構築級のコモン、アンコモン、安いレアは売らないようにしましょう。もしこれらのコレクションを持っていればデッキを作る際安上がりです。0.5チケ~1チケのカードは実際にデッキを作る際蓄積しますし、デッキ作成という投資を軽減してくれます。



次回予告:

UULドラフト戦術指南を予定してますが、結構時間かかってます。


最後に:

今週はTSE Nix-Tixがあるのを忘れずに!これは短期間しか出来ませんし、MOで一番のEVを持ってます!(訳注:終わりました。そして大して美味しくありませんでした)

また、私はオンラインで”このイベントをやった方が良いですか?”と質問され事が多いのでこの場を借りてお答えします。答えは”あなたのバンクロールによる”です。長期的なプランに基づいている事を忘れないでください。誰でも短期的に利益を出すことは可能です。あなたのバンクロールが90チケの不調を許容出来なければ、90チケを使ってはいけません。簡単なことです。少しずつでも資産を増やして行き、不調の波を乗り越えてください。そうすれば資産は段々増えますし、気兼ねなく参加出来るイベントの種類も増えることでしょう。

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いよいよMBS祭りが始まりましたね。
僕もそろそろテゼレットと黒緑剣以外のカードを見ないといけないかもしれません。
今回でドラフト編は終わりです。次回はいよいよ資産管理編になります。
原文のシリーズ自体はあと5,6回ぐらいは予定しているそうですね。

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5) Rise of the Eldrazi

ここで告白しますが、ROEは人生で2回しかドラフトしたことがありません。SOMリリース時に復帰したので、ROEがあった時は引退していたからです。セット内にどのようなカードがあるかは知っています。が、VengevineとGideon(60チケ以上=SOM神話全部とほぼ同じ)のみがSOMより優れている点ですね。個人的にはROEよりSOMをドラフトしたいですが、EV的にはROEの方が上ではあります。このセットをいくらドラフトしても儲かることはありませんので、課金無しでMOをやりたければROEをドラフトしないように。
最近LinvalaやEmrakulがエクテンの影響で上がってきてますね。


6) Scars of Mirrodin

最近SOMは良い(強い)セットでは無いかもしれないという声をちらほら聞きます。私はその事について意見を述べる立場にはありませんし、この議論は全く意味がありません。現在の神話レア込みセットの環境ではスタンダード(最も人気のある構築フォーマット)によってカードの価値が決められますので、スタンダードでかなりの割合を占めるSOMには必ずいくらかの価値があるカードが存在するでしょうから。ただ、SOMが過剰にドラフトされている現状ではあまり意味を持たないですし、これがSOMの一番の問題となっています。

SOMはドラフトされ過ぎている!

SOMは現物化、コレクター、構築プレイヤー等の需要を遥かに凌ぐ供給があります。Ratchet Bomb、Mimic Vat、Elspeth Tirel等はもっと高くなるべきですし、いずれそうなるでしょう。この傾向はほぼ全てのMTGOのフォーマットにおいて共通したものです。このサイクルは毎回起こっているにも関わらず、皆あまり気にしません。そして、それによってまたサイクルが引き起こされるのです。

きっとあなたもSOMをドラフトしまくってるでしょうから、個々のカードの解説は割愛しますね :)

もしあなたがコストパフォーマンスを気にしているのであれば、SOMのドラフトは絶対に避けるようにしてください。

私ならこうするかもしれません:
UULをドラフトしてExplorationのようなレアを引きます。Explorationを12チケで売って、Ratchet Bombsを12枚買います。これでExplorationを将来3チケに上がる可能性のあるRatchet Bombsに交換することが出来ました。そのドラフトでひょっとしたら勝てたかもしれないので、UULブースターや他のチケレアも引けてたかもしれません。まあ最低でも前述のチケコモンは回収出来ていたでしょうね。結果私は12チケでのドラフトをExplorationを引く運と、低リスクのSOM投資によって45チケに増やしたのです。

これが長期的ドラフトのキモです。チケを増やせるドラフトをこなし、そのチケットを元手に市場傾向を読んで投資するのです。次回のドラフト分のチケットを確保し、余剰分は貯金に回して、残りを投資しましょう。


SOMのメリット:

SOMにジョインし続けるあなたにも朗報があります(これ以上悪くなりえないという意味では無く、、、)。MTGOは同じサイクルを辿りますから、その内SOMは(ZZWがそうであったように)忘れ去られます。SOMの価値は徐々に上がって、ドラフトでも儲けられるようになるでしょう。MBSやその次のセットによって、SOMのドラフトはいずれ稼ぎ頭になるでしょう。

現状MBSに高いカードは無さそうですが、その次のセットがどうなるかまだ誰もわかりません。もしそのセットが壊れた神話レアを印刷しようものなら、その値段はうなぎ登りになるはずですし、このフォーマットをより儲かるものにしてくれるでしょう。

ヒント-チケットに困っていない限りはSOMのレアを売らないようにしましょう。構築で使える限りカードの価値はあがるでしょう。Zendikarでは昔1チケだったカードが3-5チケ以上しているのがザラですし、神話レアは全て値上がりしています。このサイクルはSOMでもまた繰り返されることでしょう。


レアドラフト

皆同じようなシチュエーションに遭遇したことがあると思います:
パックを開けたら3.5チケのレアと、デッキに入る貴重な除去がありました。さあどの状況でレアまたは除去を取るべきでしょうか?
もし長期的視点でドラフトをしているのであれば、答えは簡単ですー何があろうともレアを取りなさい。


―レアドラフトの選択

さて、EVと各セットのEVについて書いて来ましたので、チケレアか強カードをどう選択するか説明しましょう。もちろんデッキに入る高いカードを取れれば最高ですが、チケと性能のどちらかした満たしていない場合は、数字を決める必要があります。

この場合数字とは毎回強カードより優先してピックするレアの価値(チケット数)の事です。つまり、その数字を上回っていれば、順目、パック、強カードに関わらず、そのチケレアを取る、ということです。私の個人的な数字は2.5です。a)他に良いカードが無い b)既にデッキが強い c)デッキがしょぼすぎる d)欲張りなとき のケースでは2.5以下のカードも取ることがあります。

数字を決めるときは4以上は絶対に選ばないようにしましょう。もしそのカードがパックと同価値であれば、チケットを取るべきです。4以上のチケを回すのは長期的に非常に有害です。ピック順が下がるにつれて数字も下げてください:

P1: 3チケ以上
P2: 2.5チケ以上
P3: 2チケ以上
以下略

ここでレアドラフトのジレンマが発生します。如何にレアドラフトをしながらデッキを最大限に強くするか?ということです。UULの場合はサイクリングをピックしていけば良いですし、他のフォーマットではマナベースを欲張らないようにしましょう(過去の経験から、そうする事によって収益があがりました)。

シグナルを読み、空いている色へスイッチすることもレアドラフターにとっては大事です。Hideous Endが5ピック目に回ってきていれば、その後0.5チケを沢山ピックしつつ強いデッキを組むことが可能でしょうしね。こういった戦術は自分で考えていかなければならず、流行はころころ変わるものです。
(訳注:この後各フォーマットについて解説が入りますが省略)



どのレベルでドラフトをするべきですか?

誰かにMOを教えている時、皆必ず4-3-2-2、スイス、8-4の内どれを選べば良いか聞いてきます。私自身は全てのフォーマットに満遍なくジョインするので答えづらいですが、一応このように考えています:

―初心者,または長い間引退していたのであればスイス

―元手が少なく、ドラフトを繰り返すことによって資産を増やしたければスイス

―スキルにある程度自信があって、調子悪くても吸収出来るぐらいチケットがあれば4-3-2-2

―強烈な不況を物ともしないチケット数、スキルへの揺ぎ無い自信、もしくは強いプレイヤーと試合することによって上達したければ8-4。ただ8-4は4-3-2-2やスイスと比べて不調の時のチケットの減りも早いので、貯金はちゃんとしておきましょう

私のお勧めは4-3-2-2です。なぜなら一番美味しいセットは4-3-2-2しか無いからです。たまに上級者、たまに初心者、そして沢山の中級者が存在しています。高EVは不調時のチケットの減りを緩和してくれます。

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それではドラフト編その2です。UULに関しては最近大分Buyが下がった感はありますねー。

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EVランキング - どのセットがベストなの?
(EVが高いセットから順にあげていきます。独断なので議論の余地は沢山ありますね)


Tier 1 - 収入源

1)Urza’s Saga-Urza’s Saga-Urza’s Legacy (4-3-2-2のみ)

Urza’s Legacyのチケコモン達がこのセットを魅力的にしています!

EV的にはUULはZZWにかなり近いですが、UULをZZWの上に置くことにしました。UULがより優れている理由として、Nix-Tixであることと、収益が安定することがあげられます。チケコモンを毎回取ることによって安定させる事が出来るでしょう。Urza’s Legacyは1チケ以上するコモンを複数含んでいます。Cloud of Faeries、Frantic Search、Snap、Rancor、Crop Rotation、Unearthは潤沢にP3で取れますし、これらを5-25チケのレアを混ぜて旧セットのフォイルは高額という事実でトッピングすればUULは相当”儲かる”セットという事が分かると思います。もし1回勝てればシングルを4チケ分かき集めることによってドラフトに再チャレンジすることが出来ます。こうして回数を重ねていけば、そのうちGaea’s Cradle、Goblin Welder、Tolarian Academy、Grim Monolith、Exploration、Show and Tell、Smokestack、Time Spiral、Argothian Enchantress等を掘り当てることが出来るでしょう。これらがレアである事のメリットは、文字通りレアであることです。UULに神話レアは存在しないので、Goblin Welderを開けるチャンスは確率的にBlessed Rversalと同じぐらいあります。

またUULはボーナスのメリットとして同卓がシングル価格を熟知していない事があげられます。相手の無知はあなたの収益に4チケ以上のカードを沢山回してくれる事によって貢献してくれるでしょう。私のケースでは11.5チケするShow and Tellが4回も回ってくるという事がありました。このセットは儲かるという噂を聴いて卓に参加したにも関わらずカードの価値を事前調査してない奴は笑えますね。こういう人にはならないようにしましょう!

UULではカスレアも良い値段で売れることが多いという事実は見逃せません。Botがそれらのレアに0.8チケ以上も払うのは理解しがたく、Blessed ReversalがSOMのカスレア5-10枚に匹敵するという事実にはクラクラします(が、傾向を良く表していますね)
UULで損をするのは逆に難しいでしょう。フォーマットの経験が少なければ、練習していく内に覚えられます。TSEが終わって以来、TSEで味を占めた人たちのおかげでUUL卓は立ちやすくなったと思います。

ヒントー青をドラフトする。青は空いているケースが非常に多く、サイクリングや回避が多い強コントロールデッキを作ることが出来ます。またボーナスとしてP3でデッキに入りうるチケコモンを取れるメリットを享受できます。エコー持ちを除去できるPendrell FluxやRescindも意外と活躍します。

また、P1でWizard Mentorを見逃さないようにしましょう。こいつは安定してますし、色々なカードとコンボします。


2) Zendikar-Zendikar-Worldwake - (4-3-2-2のみ)

ZZWといえばもちろんジェイスですね!

ジェイスやその他の高額神話レアはこのセットをかなり魅力的なものにしています。また、このセットの素晴らしい点は普通のレアにも良い価格がついているので、でかい賞金を狙うと同時に安定性ももたらしてくれます。

UUL程の安定性は無いので、不調の波もかなりあります。が、これはチケコモン(そして2枚だけのチケアンコモン)が無い神話レア込みのセットの傾向では無いでしょうか。
ヒント-どんなにしょぼそうに見えてもフォイルの神話は流さないように。現物化に必要なため、フォイルの神話レアは思ったよりも高い価値があります。


Tier-1:ショートセットについて

上記にTier-1としてあげた二つには共通している事があり、それはショートセットがあるということです。UULの場合はセット自体があまりドラフトされていないので全てがショートセットと言えなくもないですし、ZZWのケースではWorldwakeがショートセットです。ショートセットとは、ブロック内の他のセットよりドラフトされた時間が短いエキスパンションの事を言います。

アラーラブロックでのショートセットはアラーラ再誕でしたが、これがMaelstrom Pulse(レア)をピーク時に40チケまで押し上げた一番の原因でした。ショートセット内の構築級や強い神話レア・レアは需要と供給のアンバランスが原因で常に過大評価された価格がつきます。

ジェイスにしてもWorldwakeの代わりにZendikarに収録されていたらその価格はもっと低くなっていたことでしょう。これらのカードは、更に新しいセットがリリースされ、皆が新セットのドラフトを始めると価格が高騰します。もし将来MOで投資を考えている人はこの点を良く覚えておきましょう。また、ドラフトのフォーマットを選ぶ際にもこの事を忘れないようにしましょう。


Tier2-中堅


3) Masters Edition IV:

Masters Edition IVはリリースイベント後もそこそこの価格をキープしており、下位3のセットに比べ断然EVが良いです。また、レアの価格も悪くないですし、フォイルを引き当てれば高額収入を見込めます。価格が上下する可能性はまだあるので、現段階ではME4の評価を下すことは難しいですが、今後はゆるやかにレア価格(とEV)が上昇していくものと思われます。

最後に、ME4は大型セットですし、トントンにするだけでも退屈なドラフトを数多くこなさなければいけません。レアの多くは価値を落とし、二度と高くはならないでしょう。旧セットのカードの価値はコレクターやカジュアルデッキなどによって左右されがちのため、長期的な収益を見据えた場合、ME4に頼るのは危なっかしいですね。


Tier3-貧乏くじ


これらのセットは、ドラフトされ過ぎていて、EVも期待できません。決して私が嫌いなドラフトセットでは無く、むしろ逆なのですが、過剰にドラフトされているため現在これらのセットに手を出すのは財政面からは自殺的行為と言えるでしょう。高額レアが絶対に流れてこないのです!

まああなたが14チケを貯めるために3週間も待ち続けていたとすれば、下家に流すことはしないでしょうね。ここで主張したい事は、同じ時間をMOのドラフトで費やすのなら、他のもっと割りの良いカードが引けるセットに手を出すべきということです!とはいえ、私自身気分転換にこれらのセットに手を出すことはあります。

ショートセットが無いことと、これらがドラフトされ続けた時間がEV低下の原因です。このTierは散々他のサイトで解説されているので、ここでは軽く触るだけにしておきます。

-何故”でもこのセットに欲しいカードがあるんだよ!”が理由にならないか

ええと、これからM11、SOM、そしてROEをけなすところですが、何人かはこのセット内のカードがあなたの構築や現物化に必要と言い張ると思います。が、これは言い訳にはなりません。なぜかって?少し考えればわかることですが、もし他のセットをドラフトすることによって儲ける事が出来るのであればそうやってチケットを稼ぎ、ドラフトでシングルを引くかわりに、そのチケットでシングルを買いましょう。これはドラフト自体をけなしているのではなく、これらのセットの低EVをけなしているのです。

では、Tier3の解説です。ずばりMTGOのスロットマシーン達。そしてスロットはいつも胴元が勝ちます!


4) Magic 2011

M11はROEやSOMよりEVが良く、どちらかというとTier2に近いでしょう。このセットはPrimeval TitanやGrave Titanのような良い賞金首もいますし、BaneslayerやJace Beleren、その他のタイタンも悪くありません。

このセットの最大の欠点は神話以外の全てのカードの価値が低いことです。Fauna Shamanぐらいしか価値のあるレアがありませんし、コモンやアンコモンはお通夜です。もう一つの欠点はこのセットが大型だということです。Primeval Titanに辿り着く前に無数のカスレアを開けるのは苦痛でしょう。SOMやROEに比べれば良い方ですが、長期的なドラフト戦略上ではM11はお勧めできません。
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今日はここまでです。
続きは明日、、、書けるかなぁ。

前回の更新から間が空いてしまいごめんなさい。
今回はHotel Infiniteシリーズの最初の記事です。そろそろMBSがリリースされるので、若干現在の状況と違うかもしれませんが、ご了承ください。ちょっと長いので3回ぐらいに分けて投稿しようと思います。

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Welcome to the Hotel Infinite - MO課金無しプレーを目指す-へようこそ。今日はドラフトについて書きたいと思います。ドラフトに主眼を置いたInfiniteの方法についての私の持論を役立ててもらえれば幸いです。

想定読者(この記事が一番役に立ちそうな人)はドラフトが全く儲からないと考えている人や、クレジットカードを持っておらずMTGに再投資するお金も無い人、そしてただ単にケチな人、を考えています。もしあなたがこの中のどれかに当てはまるのならば、この記事はきっと役に立つ事でしょう!

今日のトピックは:

1)どのセットを何故ドラフトするのか?-期待値について
2) バリュードラフトーレアを取るか強カードを取るか

その他にリミテッドのコツもいくつか書いています。それではどうぞ。

ドラフトでInfiniteを目指す

筆者のようなドラフトスキーにとって、認めたくないことですが、MO環境においてドラフトは一番儲けやすい手段ではありません。ドラフトはMOのスロットマシーンになり得るもので、多くのプレイヤーにとってはその通りだと言えます。ドラフトのみで高配当を得られるイベントはありませんし、PEシールドではまず良いパックを引き当てて、良いトップデッキをし、そして土地事故を回避しつつ4~8ラウンドを勝ち抜かなければいけません。私見では MOでInfiniteを達成する一番良い方法は構築です。同じく私見(そして多くのドラフトスキーにとって)ではMOでひたすら8構を繰り返すことはとても退屈です。が、諦めるのはまだ早いです。ほぼドラフトのみでInfiniteを達成する事は不可能ではありません。ここではドラフトの長期的なアプローチについて書いて行きたいと思います。短期的な利益は運の要素が強いですから。



どのセットをドラフトすべきか?どのセットを避けるべきか?

MOで常に最新のセットをドラフトしたがる人にとって苦言かもしれませんが、この環境ではSOMやM11のドラフトで儲けることが非常に難しいです。なぜかって?これは単純な経済学です。皆さんが良くご存知の通り、現在一番卓が立ちやすいのはM11の4-3-2-2とSOMの4-3-2-2です。結果毎日毎日これらのセットがドラフトされ続け、市場には最新のコアセット及び最新エキスパンションの神話レア、レア、アンコモン、コモンであふれかえります。本来であれば3チケ以上の価値があるカードは1チケ以下でトレードされ(例:SOM土地、Ratchet Bomb, Mimic Vat, Memoricide, BOP, DoJ)てしまいます。これらのカードの価値が低い時に買うのは良いことですが、ドラフトで引きたくはありませんよね。高いアンコモンは存在しませんし、UULと違ってコモンには何の価値もありません。セットの選択には期待値(EV)が非常に重要です。


期待値とは?

期待値とはドラフト1回につき平均でどれだけリターンがあるかを示したものです(賞品のパック含む)。セットに含まれるシングルの価値が期待値を決めます。例えば、SOMドラフトよりもZZWドラフトの方が期待値が高いです。つまり、もし私の平均的な結果が4-3-2-2で2回戦と決勝の間ぐらいだとすれば、平均で2.5パック賞品で貰ることになり、約10チケに換算されます。ということは、平均で4チケット分のシングルを引くと、とんとんになると言う事です。また、Nix-tix卓に入ることによって利益を上げやすくなるという事を覚えておきましょう。高いシングルが詰まったセットをドラフトしないと、平均で4チケなんて引けませんよね!!

EVはセットによって違います。EVを求める正確な式は私は持っていませんが(それは学者に任せます)、シングル価格がのっているボットのサイトへ行って、2チケ以上の価値があるレアを足していけば大体はわかります。0.25チケ以上のアンコモンやコモンも書きとめておきましょう(チリも積もれば、、、)。いくつかのセットは高額の賞金首が25+のシングルとして控えています。それらを運よく立て続けに引くことが出来れば、資産はかなり増えることでしょう。ではどうすれば確実に高額な神話レアを引けるのでしょうか?それは継続して参加することです。
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今回はここまでです。次回は各セットの解説です。
ってEVを強調している割には式知らないっていうのも外人ぽい適当さが出てますね。期待値については、以前の記事のチケまとめである程度カバーしていますので、ご覧ください。

次回は明日中に投稿しますね。
64人ドラフト(Premier Events)

まず始めに、64人ドラフトがMMMで出来るかわからない事を前提にします(あれば良いですが、多分無いでしょう)。

64人ドラフトは私にとって比較的新しいコンセプトですが、中々気に入っています。例えフォーマットがSSMであっても大儲け出来る可能性があるので、悪くありません。賞品は大体4-3-2-2と同じようになっていて、1ラウンド目を勝つと2パック、そこから1勝する毎に1パックずつ増えていき、トップ8に入ると追加のドラフトとチャンピオンシップへの参加資格を得ることが出来ます。つまり、基本的には賞品が大きい4-3-2-2ということですね。

例えば:
あなたは3パックと4チケットをはらって良いデッキをピックしました。トップ8に入りましたが、そこでは上手く行かずに1没。これはそう珍しい結果ではありません。賞品として8ブースターを受け取り、ドラフトで6パックを開けて、最後に賞品のでかい無料のシールド参加資格を得ました。儲かりましたね。決してホームランではありませんが、少なくとも長打である事は間違いありません。ホームランがあるとすればトップ4&テゼレット開封&イベントチャンピオンシップ入賞ってところでしょうか。
64人ドラフトはリターンが大きく、リスクも4-3-2-2を1没するのと大して変わりありません。リスク&リターンの視点で考えれば64人ドラフトはリスクを負う価値があります。このイベントは例え調子が悪くてもエントリーにあまり費用がかからない事がメリットとしてあげられます。大多数の人は予算的に複数回このイベントに参加する事が可能でしょう。

64人ドラフトコストパフォーマンス:B+


PEシールド対シールドスイス

さて、ここからは2つあるシールドを見ていきましょう-PEシールド(トップ8有り)&シールドスイス

シールドスイス

シールドスイスは全員が4ラウンドの結果によって賞品を受け取るシールドのイベントです。4-0、3-1、2-2全てに賞品が出ます。カードプールの価格を考慮すると、2-2ならあまり損はしておらず、パックの内容次第でプラスになる事もあるでしょう。もし3-1(9パック)すれば収支は必ずプラスで、ボーナスとしてQPだってもらえます。残念ながらシールドスイスではイベントチャンピオンシップの参加権は得ることが出来ません。当然イベントチャンピオンシップに参加出来ない事は残念です。ですが、私見ではシールドスイスはローリスクで儲かるイベントと言えるでしょう。また、これは後述するハイリスクなPEシールドの良い練習になります。

シールドスイスコストパフォーマンス:A

PEシールド(トップ8有り)

シールドスイスと違ってPEシールドはハイリスクなイベントです。トップ8に入れれば賞品はでかいですが、まず強いパックを引いて、更に良いトップデッキをする必要があります。このイベントからイベントチャンピオンシップへの参加資格を得る事は出来ますが、賢い選択とは言えないかもしれませんね。PEシールドに参加するかどうかは、あなたがシールドにどれだけ自信があるか、またどれだけ資産に余裕があるかによるでしょう。もし手持ちが100チケ以下で、売れそうなレアも無ければシールドスイスに参加する事をお勧めします。シールドスイスで良い成績をおさめていれば、PEシールドに参加する価値は充分あります。一般的にこのイベントはリターンよりリスクが高いと言えるでしょう。

PEシールド(トップ8有り)コストパフォーマンス:C

また、シールドイベントに新しいエントリー方式が採用されるかどうか興味深いところです。採用される事を是非祈りましょう(皆さんもWotCに伝えてくれると嬉しいです)。


マーケットプレイス-売りますか?持っていますか?

記事の初めに既に触れていますが、新セットのシングルについてもう一度書く必要があると思っています。一般的に言うと、皆新しいカードを早く(&速く)手に入れたがっています。構築のプレイヤーは他に差を付けるために欲しがっており、コレクターは収集癖があります。
では、あなたは新しいカードをどうするべきか?答えは簡単です、一刻も早く売り捌きましょう。大手のボットに売ったとしてもそう損はしないと思います。大手のボットは大体売値と平均買値の間ぐらいで買取してますし、シングルの値段は最初の数日は下落傾向にありますから。カードの価格が10時に9チケだったのが、1時には7チケになっていた事も珍しくありません。売りなさい(強気の売値でマーケットプレイスに投稿してるとかえって損するでしょう)

「でも_________は新ジェイスだから確保したいよ」

投機するのは構いませんが、事実としてリリースイベント後いずれかのタイミングでシングルの価格がすべからく下落します。リリースイベント中に投機する必要はありません。今回(MBS)のケースでは心配する事はありません。新ジェイスなんていませんから。

今週のレアドラフト:
今週はUULで良く遭遇する事を紹介します-Mother of Runesが流れてきました!このババアは軽く6チケします。今回のケースは上家が高額レアを取ったからかもしれませんが、これが6チケアンコモンのいるフォーマットをドラフトする醍醐味と言えるでしょう。
私の今週のハイライトは、P1でSneak Attack、P2でフォイルのYawgmoth’s Will、Karmic GuideをP3でトータル約60チケです。更にこのドラフトは優勝しました。ウルザ万歳!

次回予告:
来週は二つ記事を投稿する予定です。一つ目は皆さんからリクエストのあったUULドラフト入門です。リミテッドのコツに加え、デックテックやメジャーなアーキタイプ。更に過大評価から過小評価されているカードを紹介します。
もう一つは現シリーズのその3です。MOCSと資金管理、そして私がMTGOを11月に再開してからどのように資産を増やしていったかをご紹介します。それによってあなたの資産を増やす手助けになればと思います(特に私が犯したミスを犯していたりしていれば)。

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