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俺以外の奴ら全員正しかった。スタンで使ったデッキはひどいなんてもんじゃなかった。

ラウンド4、ジェスカイコントロールに負け。「テミュール使うべきじゃなかった」エドは言った。

ラウンド5、スズメバチの巣が俺の高木の巨人に立ちはだかって赤緑ドラゴンに負け。「テミュール使うべきじゃなかった」エドは言った。俺は腹を立てた。なぜなら彼は正しかったからだ。

ラウンド6、前日に現地入りした奴の向かいに座った。「どっから来たんだい?」「サンフランシスコだ」(だろうな。Play the game, see the convention centersの精神だ)

俺の隣にはラウンド1で当たった奴がいたが、そいつもその後1試合も勝っていなかったらしい。「君もあんまり調子良くなさそうだね?」彼は言った。確かに?悲哀は仲間好む、俺を除いてな。俺は緑白アグロにボコられて、スリップにサインし、ドロップにはチェックを入れずにその場を後にした。しょぼいRichard Shermanのジャージーを着替えるために部屋に戻るつもりだった。PT中は他の旅行の日と比べて格段に身なりに気を使わなかったから、また普通の人間に戻りたい気分だったんだ。

ん?なんでUberのアプリが立ち上がらないんだ?「SIMカードを認識しません」ってどういう意味だ?SIMカードはどこだ?俺はカバーを開いたがSIMカードは入ってる。ってことはもっと悪いじゃないか!他の部品が欠けてるのか、、、?数ラウンド前負けたストレスを吐き出すためにトイレ行って携帯落としたのは確かだが。俺は5分かけてトイレに戻り、入っていたと思われる個室の床を探した。んにゃ、何も無い。レベル3の誰かが清掃したのかもしれない。隣を見てみるか。誰か入ってる!もういいや、PCでホテルへの帰り方を調べて戻ろう。いや待てよ、鍵が無い。エドを探さなきゃ。エドも持ってない。「テミュールを使うべきじゃなかった」エドはまた言った。はいはい、正しいよ!エヴァンが鍵を持ってた。「外出るの?」彼は言った。「携帯がぶっ壊れたんだ」俺は言った。ん、皆まだPC使ってる!何でまだPC使ってるんだ?まだラウンド始まってないからだ!何で始まってないんだ?予定時間を25分も過ぎてるのに。周りは同じ方向に向かって俺の横を通りはじめていた、左からざわめきが聞こえる。

「CML!」エヴァンが言った。「こっちきてみなよ!」

ディスプレイにパトリック・チャピンがジャッジと話している姿が見えた。50ヤード先にはもっと良い解像度で同じイベントを観戦出来るにも関わらず沢山の人が液晶を取り囲んでいた。プロツアーはときおり参加者自身にすらアピールに欠けるイベントだ。俺は数分間論争を見たあとハッピーになった。どうでも良かったんだ。だから俺は叫んだ「頑張れよパトリック!もっと大変な告訴も経験したろ!」。誰も振り向かず、誰も笑わなかった。この瞬間ロブが最初のプロツアーの後に「俺は絶対いあいつらみたいにはなりたくない」と言っていたワケを理解した。

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