3
プロツアーでどうするかってのは出るまでは気にしてなかった。決まった後で良い成績を残したいって思うようになった。いいじゃないか?マジックで唯一準備をする価値が金銭的にある大会だからな。
俺たちの準備は下記の通りに進んだ:
MOのベータでプレイテストした。結果沢山のバグを発見し、ウィザーズへ報告はしなかった。デッキのテストはバグのテストに変わった。
紙でDDFドラフトを1、2回した。2週間前にヨーロッパへ出発したのでオンラインは無し。
ロンドンのフルハムにいる友達の友達とキューブを1回遊んだ(ジェームスありがとう!)。
アムステルダムとパリとロンドンのしょぼいナイトライフについて友達にメールで相談した。
アントワープでカフェモックスの半額で買えるビールを飲んだ。
良くないやり方だって批判される事は承知してるさ。本当に良い成績残したかったかって?そりゃそうさ。けど、旅行より優先されるものでもない。俺にとって初めてのヨーロッパ旅行だし、その間マジックに費やす時間を減らすのはプロツアーでダメだった時、自分への良い言い訳になるから。
4
海外遠征の最初の1週間で沢山のメモを書き残した。旅行の特権と言うべき、珍妙な経験の記録として。マジックについては何も書かなかったがね。ベルギーに到着するまでプロツアーについてほとんど考えなかったし、着いたあともそれはさほど変わらなかった。
アントワープではキューブ製作者のジェイソン・ワデルに会った。
「俺はもうマジックで起たなくなっちまったよ」
彼は言った。
「なんで?」
「他の事で忙くてな」
「俺もだよ」
「君はまだ現役じゃなかったっけ?」
「ああ」
「プロツアーに出るためにここに来たんじゃなかったっけ?」
「まあ、、そうなんだけどね。良い口実だったんだ」
(俺自身プロツアーに行くことよりヨーロッパに行くことの方が優先度高かったからな)
「まあでもチャネルファイアボールが俺のヴァンパイアの記事を載せてくれたらいいな」
ジェイソンは笑った。
「奴らは俺の記事すら載せてくれないな。昔他で寄稿してなかったっけ?」
してたよ。
「俺のコラムは時間の無駄だったよ」
俺は言った。
「金にもなかったし友達も増えなかった。キャリアの上で有利には働かなかったね。何も学んだ事は無かった」
彼は答えた。
「マジック文化についての全てが酷いもんだったって思ってた俺はおかしいのかな」
「そんなことはないよ」
「マジックの友人は好きだが、俺たちは輪っかの外にいるような気はするね。スタークラフトやってて友人は出来なかったよ」
「素晴らしいゲームだよな」
ジェイソンは言った。
「ああ。以前一緒に遊んだ奴は今じゃスタークラフト2の解説やってて、ミスオレゴンとヤッてるみたいだぜ」
「スタークラフトのカバレージな」
ジェイソンは言った。
「もしくはeスポーツの実況解説なんだが、彼らはそれが重要だって自覚してる。試合中に凄い事が起こってるって観客へ常に発信してるんだ。一方マジックの奴らは凄い事が起こってるって観客を常に説得しようとしてる」
「自分自身も騙そうとしてるのかね?」
「だって、そうでもしないとやってらんないだろ?」
俺たちはもう一杯飲んでほろ酔いになった。
「PTで何使うんだ?」ジェイソンは言った。
「ティムール」
「それは何色なんだ?引退してしばらく経つんでね」
俺は説明した。
「思うんだが、マジックのカードの値段を気にするには貧乏じゃないといかんね」ジェイソンは言った。
「アパートにタルモゴイフのセットをしまってるんだが、ここ半年誰にも使われてないし、値段も全く確認してない。だってどうでもいいだろ?モダンマスターズ2がそろそろ発売されるって聞いて、それに入ってる新しいカードについて何も知らないけど、まあ日常は過ぎていくよな」
翌日俺は正午に目覚め、ブリュッセル行きの電車に乗った。ベセスダ並みにつまらない地域を足早に歩き、エヴァンが安いからって勧めてくれたホテルに到着した。
つづく
プロツアーでどうするかってのは出るまでは気にしてなかった。決まった後で良い成績を残したいって思うようになった。いいじゃないか?マジックで唯一準備をする価値が金銭的にある大会だからな。
俺たちの準備は下記の通りに進んだ:
MOのベータでプレイテストした。結果沢山のバグを発見し、ウィザーズへ報告はしなかった。デッキのテストはバグのテストに変わった。
紙でDDFドラフトを1、2回した。2週間前にヨーロッパへ出発したのでオンラインは無し。
ロンドンのフルハムにいる友達の友達とキューブを1回遊んだ(ジェームスありがとう!)。
アムステルダムとパリとロンドンのしょぼいナイトライフについて友達にメールで相談した。
アントワープでカフェモックスの半額で買えるビールを飲んだ。
良くないやり方だって批判される事は承知してるさ。本当に良い成績残したかったかって?そりゃそうさ。けど、旅行より優先されるものでもない。俺にとって初めてのヨーロッパ旅行だし、その間マジックに費やす時間を減らすのはプロツアーでダメだった時、自分への良い言い訳になるから。
4
海外遠征の最初の1週間で沢山のメモを書き残した。旅行の特権と言うべき、珍妙な経験の記録として。マジックについては何も書かなかったがね。ベルギーに到着するまでプロツアーについてほとんど考えなかったし、着いたあともそれはさほど変わらなかった。
アントワープではキューブ製作者のジェイソン・ワデルに会った。
「俺はもうマジックで起たなくなっちまったよ」
彼は言った。
「なんで?」
「他の事で忙くてな」
「俺もだよ」
「君はまだ現役じゃなかったっけ?」
「ああ」
「プロツアーに出るためにここに来たんじゃなかったっけ?」
「まあ、、そうなんだけどね。良い口実だったんだ」
(俺自身プロツアーに行くことよりヨーロッパに行くことの方が優先度高かったからな)
「まあでもチャネルファイアボールが俺のヴァンパイアの記事を載せてくれたらいいな」
ジェイソンは笑った。
「奴らは俺の記事すら載せてくれないな。昔他で寄稿してなかったっけ?」
してたよ。
「俺のコラムは時間の無駄だったよ」
俺は言った。
「金にもなかったし友達も増えなかった。キャリアの上で有利には働かなかったね。何も学んだ事は無かった」
彼は答えた。
「マジック文化についての全てが酷いもんだったって思ってた俺はおかしいのかな」
「そんなことはないよ」
「マジックの友人は好きだが、俺たちは輪っかの外にいるような気はするね。スタークラフトやってて友人は出来なかったよ」
「素晴らしいゲームだよな」
ジェイソンは言った。
「ああ。以前一緒に遊んだ奴は今じゃスタークラフト2の解説やってて、ミスオレゴンとヤッてるみたいだぜ」
「スタークラフトのカバレージな」
ジェイソンは言った。
「もしくはeスポーツの実況解説なんだが、彼らはそれが重要だって自覚してる。試合中に凄い事が起こってるって観客へ常に発信してるんだ。一方マジックの奴らは凄い事が起こってるって観客を常に説得しようとしてる」
「自分自身も騙そうとしてるのかね?」
「だって、そうでもしないとやってらんないだろ?」
俺たちはもう一杯飲んでほろ酔いになった。
「PTで何使うんだ?」ジェイソンは言った。
「ティムール」
「それは何色なんだ?引退してしばらく経つんでね」
俺は説明した。
「思うんだが、マジックのカードの値段を気にするには貧乏じゃないといかんね」ジェイソンは言った。
「アパートにタルモゴイフのセットをしまってるんだが、ここ半年誰にも使われてないし、値段も全く確認してない。だってどうでもいいだろ?モダンマスターズ2がそろそろ発売されるって聞いて、それに入ってる新しいカードについて何も知らないけど、まあ日常は過ぎていくよな」
翌日俺は正午に目覚め、ブリュッセル行きの電車に乗った。ベセスダ並みにつまらない地域を足早に歩き、エヴァンが安いからって勧めてくれたホテルに到着した。
つづく
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